
人間は時として、金額や量などの数字(絶対的価値)ではなく、
自分の中にある価値基準で物事を判断することがあります。
これを「フレーミング効果」と言います。

今回はこのフレーミング効果を使って
売上をアップさせるための2つの方法を紹介していくわよ。
ビジネスを行っていく上で、
売上をアップさせるために様々な工夫を凝らしていくことは、
当然ではありますが重要な事です。
というわけで、今回は売上アップを図る際に使える
心理効果「フレーミング効果」についてご紹介していきたいと思います。
このフレーミング効果はマーケティングの観点だけではなく、
コピーライティングにも生かすことが出来る心理効果で、
ビジネスの随所に応用していくことによって売上のアップが期待できます。
「売上が中々伸びない…」とお悩みの方
これから起業してビジネスを始めると言う方
新しい商品などを考え中の方
こうした方にはオススメの心理効果なので、
是非最後までお付き合いいただければと思います。
それでは、次の項目から早速、
フレーミング効果について解説していきたいと思います。
フレーミング効果とは何か?
まずはフレーミング効果についての解説です。
フレーミング効果というのは行動経済学の用語の一つで
人がある選択肢に対して判断を下す時、絶対的価値ではなく、
自分の基準で物事を比較してしまうため、
絶対評価とは異なる判断をすることがある。
という意味を持っています。
…何だか上記の文章のままだと分かりづらくないですか?
ということで、少し身近な例を使って解説していきましょう。
例えば、あなたも「スターバックス」という
コーヒーチェーン店をご存知だと思います。
いわゆる「スタバ」です。
このスターバックスの飲み物には
- ショート
- トール
- グランデ
- ベンティ
という4つのサイズがあります。
(上から順に、一般的なS・M・L・L以上とお考え下さい)
今回はその中で、ショートとグランデを引き合いに出して、
フレーミング効果を説明していきます。
例えば、大きさショートのドリップコーヒーは
お値段280円で量は240cc。
これがグランデになると、
お値段は360円ですが量はなんと470ccとなり、
わずか80円ほど追加するだけで2倍の量を飲むことが出来ます。
つまり「絶対的価値」…料金や数量など世界中の皆に通じる数字の観点から考えると、
ショートよりもグランデを買った方がお得なのです。
しかし、ではわざわざショートを買う人間などおらず、
皆が皆お得なグランデを買うのか?と言われると、
必ずしもそうではありません。
- グランデはちょっと高いから
- そんなにたくさん飲めないから
- 一度にたくさん頼んでも、飲んでいる間に冷めてしまうから
…などなど、一人一人の様々な理由…、
つまりは自分の基準で物事を判断し、
ショートやトールのサイズを買う方も当然います。
絶対的評価とは異なる判断が下されるわけです。
少し回りくどくなってしまいましたが、
これがフレーミング効果の一例です。
フレーミング効果を活かして売上をアップさせる!
では、このフレーミング効果を活かして
ビジネスで売上を伸ばすにはどうすればいいのか?
究極を言えば「お客様の中の基準」をある程度誘導することによって、
フレーミング効果を活用しての売上アップを図ることは可能です。
今回はその「お客様の中の基準」をコントロールするための
二つの方法をご紹介していきます。
松竹梅の3段階の商品を用意する
一つ目の方法は、過去記事の
でもご紹介した方法ですが、商品に
- 安い商品
- 本命の売れてほしい主力商品
- 当たればラッキー!な高額商品
の3段階を設けるというのが一つの手段です。
アメリカのある実験では
- 安いカメラA
- 普通の値段のカメラB
を用意した場合、大体半々くらいの売れ行きになった…
という実験結果が出ました。
しかし、ここに「高価なカメラC」を加えた場合、売れ行きは
- A:22%
- B:57%
- C:21%
という売れ行きになったそうです。
商品がAとBの二段階だけだった場合、
本命商品のBというのはお客様の目線から見ると
「高い商品」という風に写ってしまいます。
そのため、安い商品であるAに流れる人も
同じくらいの割合でいます。
しかし、高額な商品であるCが追加されることによって、
本命商品のBは高額な商品ではなく、
標準的な商品という位置づけに変わります。
その結果
- Cはちょっと高いかな…
- CじゃなくてもBで事足りるんじゃないか?
- Aはちょっと安っぽい気がする…
- とりあえず真ん中のやつを買っておけば間違いはないだろう
と考える方も増え、本命商品であるBの売れ行きは安定します。
また、割合的に見て安い商品Aを買っていたお客様の半分ほどが
高額商品であるCに流れている点も見逃せません。
高額商品を設置すると、一定の割合で買う人が現れるのです。
主力商品の売れ行きを安定させ、
さらに高額商品を買うお客様も一定数現れる。
良い事尽くめですね!
ぜひ商品は安い・普通・高いの3段階を用意してみてください!
…ちなみに、安い商品と言うのはビジネス用語で言う所の「フロントエンド」、
本命の主力商品は「バックエンド」と呼ばれており、
ビジネスを行う上でこの2つの商品を設置することは非常に重要です。
ビジネスを行う際の必須知識の一つですので、
気になった方は是非過去記事をご覧ください。
「フロントエンド商品を設置して他の商品を売りやすくする方法」
「お得に見える言い回し」で印象を変える!
お次はコピーライティングの視点から
フレーミング効果を活用する方法です。
商品やサービスの表現の仕方をほんの少し工夫するだけでも、
お客様の印象を良くし、商品にお得感を感じてもらったり、
安心感や信頼感を増加させることが可能です。
少し極端な例を出しますと、
もしあなたがお家のハウスクリーニングを
業者に依頼することになったとして
- 「100人中98人のお客様にご満足いただけました!」という業者A
- 「100人中2人のお客様にはご満足いただけませんでした!」という業者B
…さてどちらにハウスクリーニングを頼みたくなるでしょうか?
どちらも言ってしまえば「お客様満足度98%!」ではありますが、
なんとな~くBの方には不安感を覚える…という方も多いと思います。
絶対的価値で見るとどちらもお客様満足度は98%。
ですが、Aは「100人中98人も満足したのか!」という印象を受け、
対してBは「100人中2人はサービスに不満が残ったのか…」という印象を受けます。
数字は同じなのに、文章一つで印象=お客様の基準は変わってしまうのです。
つまり、コピーライティングの観点から
フレーミング効果を活用するには「お得に見えるように書く!」、
この一言に尽きるわけです。
実在の例としては、過去記事の
「表現を変えるだけで売上2倍!?成約率を上げる言い方の工夫とは?」
でもご紹介しましたが、例えばリポビタンDなどは
「タウリン2g配合!」ではなく「タウリン2000mg配合!」と
たくさん入っているような表現を取っています。
また、過去にマクドナルドにあった商品である
「ダブルクォーターパウンダー」も
フレーミング効果を巧みに活用していました。
「クォーター(1/4)」の2倍なので
本来なら「ハーフ(1/2)パウンダー」と言うのが正しいのですが、
「ハーフ」という表現では量が少ないように感じるので、
「クォーター(1/4)が二つ分=ダブルクォーターパウンダー」
という名称になっております。(マック良く考えてんな~)
このように、世の中には「お得感のある言い回し」に変えることで、
フレーミング効果を有効活用している商品や広告はよくあります。
あなたも是非活用してみてください!
フレーミング効果のまとめ
今回はフレーミング効果についてご紹介させていただきました。
少しでもあなたのビジネスの助けになれたなら幸いです。
人間は機械ではないので、その時の気分や体調、
印象などによって必ずしも料金や数量などの「絶対的なお得」ではなく、
「自分自身の基準によるお得」を取る場合が往々にしてあります。
フレーミング効果を意識することで、
少しの工夫で自社の商品をより魅力的に見せることもでき、
その結果売上をアップさせることも可能です。
是非、フレーミング効果を有効活用してみてください!