クロスセルの説明
今回は、
「本命で売りたい商品(バックエンド)と一緒に、
ついでに売れる商品(クロスセル)」
について解説していきます。
※バックエンドの記事はこちら。

 

 

今回の内容を把握することで、
「お客さんが自分の商品に何を求めているのか」が、
ハッキリと分かるようになります。

 

 

その結果、一度のお買い物でたくさんお客さんに
購入してもらえるようになるので、
少ない取引で客単価を上げることが出来ます。

アップセルと似たような効果があるわけですね。
※アップセルについての記事はこちら。

何度も何度も取引をしたのに、
一度のお買い物の金額が少ないために
人件費と時間だけが消費されていく…。

 

 

そうならないためにも、
クロスセルはしっかりと設置するべきでしょう。

他に時間を割くことが出来るので、
重要な作業に時間を使うことが出来るようになります。

 

クロスセルとは? それは関連商品のことです

クロスセルとは、関連商品のことを言います。

関連商品、というと難しく聞こえますよね。

 

 

では、ここでハンバーガーショップに行った時のことを
思い出してみましょう。

ハンバーガーを頼んだ時に、
「ポテトもついでにいかがですか?」
と言われた経験はありませんか?

 

 

ハンバーガーじゃなくても、
他の飲食店でも一度は経験あるかもしれません。

このような、
「メインと一緒に売れるような商品」
が、クロスセルと呼ばれています。

関連商品

目的は客単価を上げること

クロスセルの目的は、
「一度のお買い物で出来るだけ
多くの商品を買ってもらうこと」

 

 

つまり、客単価を上げることです。
※客単価についての記事はこちら
客単価を上げるだけでなく、
時間の節約にもなります。

 

 

1,000円の商品を5回に分けて買われるよりも、
まとめて5000円の商品を買ってもらうほうが楽です。

金額は同じかもしれませんが、
「取引する回数」
は5倍違います。

 

 

このように、少し大きいスケールで見ても、
人件費の削減に繋がるなど、
様々なメリットがありますね。

クロスセルがよく売れるタイミングと購入確率

クロスセルは商品が売れた直後、
または同時に良く売れます。

 

購入される確率は、
良く売れる商品で30%ほどですが、
実際は5%~10%が最低ラインなので、
その範囲に収まっているなら問題ないでしょう。

 

中には売り込むのは抵抗がある、
といった方も居るでしょう。

しかし、基本的にお客さんが自分の商品やサービスを購入してくれたということは、
何かしら「この人は自分の生活を向上させてくれる」と思ったからです。

 

 

「お客さんの生活のレベルが確実に上がる」
という自信があるのなら、
迷わずクロスセルを紹介してあげるべきです。

喜ぶ人たち

車のディーラーは、クロスセル販売が上手

よく代表的な例として紹介されるのが、
車のディーラーさんです。

 

 

彼らは日々クロスセルの研究をしていると言っても
大袈裟ではありません。

車を買う場合、
お客さんは新品そのままの状態で、
購入することは少ないです。

 

 

きっと、

・カーナビ
・ランプ
・ホイール
・ワイパー
・タイヤ
・保証

などなど、出来るだけ自分の好みに合わせるようにします。

 

 

これは、お客さんが単純に車を買っているわけではなく、
「車に乗っている未来の自分を手に入れるため」
ですよね。

つまり、体験を買っているためです

 

 

ですので、車のディーラーさんは、
お客さんがより良い環境で車を購入出来るように、
日々クロスセルについて研究しているのです。

これはお客さんが損をしているわけではありません。

 

 

ただお客さんが叶えたい未来を、
魅力的な提案によってサポートしているだけです。

しかし、強引な押し売りで、
荒稼ぎしているディーラーも存在するのが残念ですね。

 

 

必ずお客さんと自分がどちらも勝てるような、
そんなクロスセルの提案をしていきたいものです。

クロスセルを購入する時に働く3つの心理

働く心理は、その時の状況によって
変わってしまいますが、

ここでは代表的なものを3つ紹介します。
「そういうものがあるんだなー」
と思ってもらえる程度に紹介していきます。

 

 

■コミットメントと一貫性の心理

人は一貫した行動を取りやすい。
「ここで一度買っちゃったんだから、
ついでにもう1つ買うのもおかしくないよね!」
と、自分に矛盾が無いように動く心理。

■コントラスト効果

最初に見た数字と次に見た数字は、
思ってる以上に差が開いて見える。
「車が400万円したけど、
オプションって10万円程度で済むんだ!ラッキー!!」

普段は10万円って大金ですよね。
それが物凄く安く見える心理です。

■プロスペクト理論の感応度逓減(脳科学)

人間は自分が持っている基準値から離れれば離れるほど、
小さな変化に気が付きにくくなる。
これは損をしても得をしても同じ。

財布に500円しか入っていない状況だと、
100円損するだけでも悲しい気持ちになるのに、

財布に10万円入っている状況だと、
100円無くなっても損したことに気が付きにくくなる。

 

 

これらはアップセルなどにも関わっています。

これらの知識をつめて、
騙されないように耐性をつけておきましょう。
はい、分かりました。

 

クロスセルとはお客さんの生活の質を上げるために存在する

アカパンジー
「じゃあひたすらまとめ売りをすればいいんだな!
売上も上がってラッキー!」

いえいえ、ここで勘違いしてはいけないのが、
「クロスセルはお客さんにメリットがある時のみ提案してあげる」
ことが大切になります。

 

 

ただ単に、むやみにまとめ売りしても、
一回だけのお客さんになってしまう可能性が高いです。

この考え方はクロスセル商品を考えだす時にも重要になるので、
変な欲が出過ぎないように気をつけてください。

 

 

クロスセル商品の考え方はもう少し後で解説します。

 

そりゃあスポーツ店の店員だって、すぐに売ったものが壊れてくれたほうが嬉しいさ

ド直球な見出しになってしまいました。

 

 

誰でも高級な商品がバンバン売れていくことを
望んでいたりするものです。

 

 

しかし、それだとお客さんは得をしませんよね。

1つ例を見てみましょう。

クロスセルについて

スポーツ店の店員さんは、
スポーツ用品を買いに来た人に対して、
手入れ道具なども一緒に売りますよね。

 

 

積極的に進めてきますが、
これは押し売りなのでしょうか?

 

 

お客さんが買った商品が1万円だったとしましょう。
寿命はキリよく1年にします。

 

 

お店の人からすれば、1年に1回商品が壊れてくれて、
毎年買い替えに来てくれたほうが嬉しいですよね。

 

 

でも、スポーツ店の店員は、
2000円の手入れ道具を一緒におすすめしてあげます。

この手入れ道具を使うことにより、
1年しか持たなかった寿命が1年半に
伸びるというシロモノです。

 

 

その結果、お客さんは最初に12000円支払うことにより、
1年半もお気に入りのスポーツ用品を使い続けることができますよね。

仮に購入者のお子さんが3年間部活動を続けるとして、
3年間で6,000円も差が開いてしまいます。

 

 

これはお客さんにとっても、
凄い嬉しいことなんですよね。

きっとこの時点で、
お客さんにとって店員さんは
ただの店員では無いはずです。
スーパー店員かなにかでしょう。

 

 

更に店員さんが、

「スポーツ用品は買い換える度に
馴染ませる間はずっと違和感があるんですよね」

と言って、1つのスポーツ用品を長く使う
メリットを熱く語ってくれたらどう思いますか?

 

 

スーパー店員どころか、
スーパー店員2くらいの存在になるはずです。

このように、クロスセルはただの押し売りではなく、
「お客さんの生活の質が向上するのか」に、
とにかく注目して売らなければいけません。

 

 

短期ビジネスで終わるのか、
長期ビジネスとして残り続けるかも、
このような気持ちが分かれ道となる場合もあります。

 

クロスセル商品の探し方は、とにかくお客さんについて考えること

精神論ではありません。
クロスセルを見つけるには、
相手のことを考えるのが一番早いです。

 

 

クロスセルを正確に測るための戦術として、
アソシエーションルールと呼ばれるものもありますが、
今回は

「誰でも出来るクロスセルの見つけ方」

に注目して解説していきます。

 

 

ちなみにクロスセルは自社の商品である必要はありません。
「他社と連帯して、お客さんがきたら紹介して仲介料を貰う」
といったやり方でも十分です。

それを前提に話を進めていきます。

その1・まずは自分のお店で、よく売れる商品を見つめる

自分のお店でよく売れる商品やサービスを
ジッと見つめてみましょう。

 

 

お客さんがこの商品を買った後に、
どのようにして生活の中に
取り入れていくのかを想像します。

自分の商品で何をするのか?
どこにいくのか?
誰が使うのか?
誰と?
いつ?
誰にあげるのか?

思いつく限りの悩みを
具体的にノートに書きだしていきましょう。

その2・お客さんにとって、必ず不足するものがあるので探す

次に
「お客さんが欲しい結果を得るまでに不足するもの」
を考えます。

(例1)
スマートフォンを買ったおばあちゃんは、
孫と連絡を取りたいのかな?

でも操作出来るんだろうか。
説明書も専門用語ばっかりで難しいよな。

スマートフォンの操作の仕方を教えてあげれば
喜ぶんじゃないのかな?

(例2)プラモデルを購入した人って、
他にも沢山小道具が必要だろうな。

一緒に売ってあげたら喜ぶんじゃないのかな?

このように、お客さんが商品を購入した後に、
どのような悩みが発生するのかを
想像していきましょう。

 

 

最近は居酒屋さんでも、
自社でお客さんを自宅まで送り届ける
サービスを見かけるようになりましたよね。

あれは本来「運転代行」が行っていたものです。

このように、少し発想を変えるだけで、
商品購入後にお客さんが他社に頼んでいた仕事を、
自分が引き受けることが可能です。

 

 

きっと沢山あるはずですよ。

その3・お客さん、従業員に聞く

これが最強です。シンプルですね。

大企業や中小企業関係なく、
お客様の意見は常に取り入れる必要があります。

必要な情報はすべてお客さんにある、
といってもおかしくはありません。

 

 

特に中小企業や個人授業の方は、
お客さんのニーズに合わせて常に進化して、
大企業が本格的に市場に来る前には
その業界で「お客様に選ばれる理由」を確立しておく必要があります。

 

 

更に、会社を発展させるために必要な情報は、
顧客が50%、ライバルが25%持っていると言われています。

つまり、
・顧客に直接聞いて情報を仕入れる
・顧客に接することの多い社員に聞いてみる

このような地味に見える日々の積み重ね作業が、
後に絶大な効果を発揮します。

 

 

それを数値化出来れば尚更良いのですが、
仮に出来なかったとしても、
普段から従業員やお客さんとのコミュニケーションはとっておくべきです。

 

 

従業員には
「どんなお客さんがどんなものを一緒に買っていくのか」
と聞くだけでも効果があると思います。

アンケートも
「商品を購入した後に、一体何をするのか」
が分かるような項目を設けておくだけでも違いますよ。

その4・思い切って最初からまとめ売りしてみる

バックエンドとクロスセルを最初からまとめ売り
してしまうというやり方です。

 

 

シンプルですが、まとめ買いによる割引などを追加することで、
お客さんの選択肢が増えます。

すぐに出来るのでオススメですよ。

 

 

このようにクロスセルは
「ただ単に商品を並べればいい」
というワケでもありません。

クロスセル購入後の動き

そして、クロスセルを探すのは
最初は難しいかもしれませんが、
慣れるとすぐにアイディアが出てくるようになります。

 

 

今からでもできますので、
あなたがよく売れるバックエンド商品をお持ちでしたら、
ノートにお客様の情報を書き出してみましょう。