今回は「におい」が記憶に結びつきやすい理由について解説しているぜ!
匂いなどの嗅覚は記憶と結びつきやすいことが分かっています。
その理由としては「嗅覚は記憶を司る海馬と直接つながっているから」ですね。
なるほどな! でも、「匂い」は無意識な感情にも関係しているから、知らないうちに相手を「不快」にさせたり「悲しく」させたりする可能性があるぜ!
なので、できるだけ「不快な匂い」を発しないことで、他人とのトラブルを回避することができるわ。
逆に、なぜ匂いによるトラブルが絶えないのかも分かると思うわよ。
突然ですが、
「におい」などの嗅覚は
記憶と深い繋がりがあることが分かっています。
よくドラマなんかでも
「思い出の場所に行ったら懐かしい匂いがして涙がでてきた」
なんてシーンを目にする時がありますよね。
あれも、その場所に漂っている「におい」のおかげで
記憶が呼び覚まされていると言えます。
もちろん、「味覚」や「視覚」など
・食べる
・見る
といった行為でも記憶を呼び覚ますことができますが、
「ある理由」から、匂いが一番記憶に関係していることも分かっています。
そんなワケで、今回は
「匂いが記憶に関係している理由」
について見ていきましょう。
この記事を最後まで読むことで
・なぜ匂いが一番記憶に関係しているのか
が分かるかもしれません。
匂いが記憶に関係している理由とは?
味覚や視覚ではなく、
「なぜ匂いが一番記憶に関係しているのか」
について簡単に見てみましょう。
ザックリと解説すると
「臭いは大脳に直接情報が送り込まれるため、記憶に残りやすい」
といった具合になるそうです。
要するに、
「本人の『記憶したい』『記憶したくない』という意思に関係なく、
情報がダイレクトに「海馬」に送り込まれるんですね。
極端にかみ砕いて説明すると
「情報の近道」
といったところでしょうか。
逆に嗅覚以外の感覚は、
一度、視床に通り「情報を整理、整頓」した後に、大脳に送り込まれます。
「嗅覚」に比べて、情報が遠回りするんですね。
このような理由から、
匂いは他の感覚に比べて『記憶に残りやすい』と言われています。
とある研究の結果を見ても、
嗅覚から入った情報は1年以上たっても風化しなかったのに対して、
他の4つの感覚から入った情報は数か月で薄れてしまうということが分かっているそうです。
その名はプルースト効果
なんと不思議なことに、
「匂いによって記憶が蘇る現象」
にも、しっかりと名前が付けられているんですね。
記事タイトルでも少し触れていますが、
「プルースト効果」と呼ばれているみたいですよ。
フランスの小説家であったマルセル・プルーストさんの作品の中の一文に
「主人公がお菓子に匂いを嗅いで、小さい頃の記憶が蘇る」
というシーンがありました。そのシーンが今回の心理現象と似ていると判断されたために、
作者さんの名前をお借りしてプルースト効果と呼ばれるようになったみたいですね、
以前「ウィンザー効果」について解説をしましたが、
あの心理も「小説」の1シーンを参考に命名されたものでした。
このように、小説が元ネタになっている心理が多い気がするんですよね。
地味に気になるところでもあります。
が! 話が脱線するので、この辺でやめておきます(笑)
匂いが原因でトラブルになることも?
少し話はズレますが、
「臭いのトラブルはなぜ起きてしまうのか?」
についても見ていきましょう。
匂いは「辺縁系」と呼ばれる感情を司る箇所に
ダイレクトに繋がっています。
一見「感情と直接結びついているなんて素敵!」
なんて思ってしまいそうになりますが
デメリットも存在するんですね。
コントロールできないのが厄介
嗅覚は感情と直接結びついているため
「無意識のうちに感情が変わる」可能性があります。
・原因は分からないけどイライラする
・理由はないのに悲しくなってきた
といったことも考えられます。
なので
・理由もなく他人に八つ当たりしてしまう
・いきなり落ち込みだして空気が重くなる
といったことが起きた場合は、
まずは「周りに変な匂いを発しているモノは無いか」
確認するようにしましょう。
ついつい、他人に八つ当たりしてしまわないように
注意したいところです。
臭いのトラブルが多い理由
・近所からの悪臭問題
・職場のスメハラ
などなど、しょっちゅう「臭い」に関する
トラブルを目にする時があります。
これも
「臭いは我慢しようと思っても出来ない」ために、
このようなトラブルが発生していると言えます。
なので、
・口臭
・体臭
などの不快な匂いを自分から発してしまうと
「こちらに悪気はないのに嫌われる」原因にもなります。
なぜなら、先ほども解説したように
「臭いは無意識に感情をコントロールしてしまう」からですね。
「我慢しろ」
と言われても
「嗅覚は本能に近い部分なので我慢できない」
のが本当のところです。
なので、今回の知識をビジネスやコミュニケーションに応用する場合は
・日頃から口臭のケアをしておく
・体臭を気にして対策をしておく
・不快な匂いの香水を使わない、または過度に使いすぎない
と言うような、対策をしておくと良いかもしれません。
勉強にも使える?
匂いが記憶に直結しているのなら、
勉強部屋と同じ匂いの香水を試験の最中に嗅げば完璧じゃね?
と思うかもしれません。
しかし、ヨーロッパの心理学者が2013年にfmriを使って検証したところ、
「匂いによって呼び起こされる記憶は『数式などの概念的なものではなく、幼少期などの知覚的な記憶』
であることが分かったそうです。
具体的な数式などが呼び起こされるわけではなく、幼き頃のフワっとした思い出が「感覚的に」呼び起こされるんですね。
なので、勉強部屋と同じ匂いの香水を試験の最中に嗅ぐという手法は
100%正しいかと言われれば、若干怪しいところです。
しかし、勉強部屋の匂いを「アロマ」などで集中できるものに変えることで、
勉強自体の効率は上がるかもしれません。
なぜなら、人の記憶力は「感情」に深く関係しているため
「良い気分の時に得た知識は記憶に残りやすい」
ということが脳科学の世界でも分かっているからです。
※快情動・不快情動など
勉強の「効率」を上げるためにも、「匂い」には気を使いたいところですね。
最後にざっくりとまとめておくと、
「匂いは試験の最中に『答え』を引き出す手段にはならないかもしれないが、
部屋の匂いを整えることで知識の吸収効率を高めることができる」
といった感じになります。
また、勉強だけではなく
・対人コミュニケーション
などにも「匂い」は深く関係しているので、
十分に気をつけたいところです。
(自分が)
というわけで、今回はこのくらいで終わりたいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!