
問題!5kgの鉄アレイと5kgの風船、
より重いのはどっち?回答時間3秒以内!

何!?え~と、重いのは鉄アレイだろ!?

どっちも5kgって言ってるじゃない。

人間はイメージによってしばしば
大きさや重さ、数量などに対する認識が狂い、
錯覚を起こしてしまうことがあります。
これを「シャンパルティエ効果」と言います。

このシャンパルティエ効果は
コピーライティングなど、ビジネスにも応用可能よ。
対決!
100kgのバーベルVS100kgのスポンジ!
重いのはどっちだ!
この世紀の対決のキャッチコピーを見て
「…いやどっちも100kgって書いてるじゃねーか!」
と思ったあなたは非常に冷静な方だと思います。
しかしパッと見た時、直感的に「バーベルの方が重そう」
と感じたという方も多いのではないでしょうか?
同じ重さだと明記されているのに、
直感的にバーベルの方が重そうだと感じてしまうのは、
- バーベル=重い物
- スポンジ=軽い物
というイメージが、僕たちの普段の生活の中で出来上がっているからです。
そして、こうしたイメージによって数字や大きさや単位の認識に
錯覚が起こる心理を「シャンパルティエ効果」と言います。
このシャンパルティエ効果はビジネスの世界でも応用可能で、
特にコピーライティングなどの面で活用できるので、
その例などを今回はご紹介していきたいと思います。
商品やサービスをより魅力的に表現する上で
効果的なテクニックの一つなので、
「自社商品・サービスを上手くアピールする方法はないかな~」
とお悩みの方はぜひ最後まで読んでみてください。
シャンパルティエ効果の変遷
冒頭では
「イメージによって大きさや重さ、単位の認識に錯覚が起こる心理」
という風にご紹介したシャンパルティエ効果ですが、
実は元々の意味はそうではありません。
元々はフランスの医師である
オーグスチン・シャンパルティエという方が1891年に出版した
「大きさ-重さの錯覚」という本で発表されたもので、
「同じ重さで大きさが違う物を比較する時、大きい方が軽く感じる」
という内容のものでした。
例えば冒頭で出した100kgのバーベルと
100kgのスポンジをそれぞれイメージしてみましょう。
100kgのバーベルなら「重り大量についてるんだろうな~」で済みますが、
100kgのスポンジともなると一体どれくらいの大きさになるのか見当もつきませんよね。
(ちなみに台所にあるスポンジの重さを測ってみたら10gくらいでした)
同じ重さなら、より体積が小さい方が
密度が詰まっているということになりますので、
重そうなイメージを持ってしまうということですね。
…と、元々は大きさと重さについての心理効果だったのですが、
最近では広義的な解釈がされるようになり、
イメージによって大きさや重さ、数などを錯覚するという意味に捉える方も多くなりました。
(僕も広い意味で解釈しています)
シャンパルティエ効果をビジネスに活かした例
前置きが長くなってしまいましたが、
前述の通りこのシャンパルティエ効果は
広告や商品のキャッチコピーなど、
ビジネスに応用することが可能です。
例えば、代表的なところで言うなら
- レモン20個分のビタミンC!
- 東京ドーム20個分の広さ!
などなどは、シャンパルティエ効果を
上手く商品の広告に利用している好例と言えます。
レモンというのはビタミンCが多い食べ物の代表!
というイメージが強いと思います。
そのレモン20個分のビタミンCと言われると、
「めっちゃビタミンC入っとるやん!」と感じてしまいますよね。
また、東京ドームというのはかなり広そうなイメージがありますので、
それが20個分ともなれば途方もない広さのように感じることができます。
しかしこれがもしも
- ビタミンC2g配合!
- 94ヘクタールの広さ!
という表記だったとしたらどうでしょうか?
ビタミンC2gと言うのはレモン20個分のビタミンCと同じ量ですが、
何となく多いのか少ないのかイメージしにくいと思います。
また、94ヘクタールというのも東京ドーム20個分と同じ広さですが、
どのくらい広いのかパッとイメージするのは難しいでしょう。
商品の長所を他の物に例えて表現することによって、
読み手に商品の良さを分かりやすくイメージさせることができ、
強いインパクトを与えることができます。
2重の割引で実際以上のお得感を出すことも可能!
また、シャンパルティエ効果は
商品の良さをアピールするだけではなく、
割引キャンペーンなどにも応用することが出来ます。
例えば、
「全品50%割引!さらにレジにて20%割引!」
というキャンペーンがあったとします。
これは100円の商品が50円になり、
そこからさらにレジにて20%割引で40円になる。
つまり「60%割引」ということになります。
しかし、パッと見た感じだと僕のように数学に弱い人間は
「合わせて70%割引!?買うしかねぇ!」と錯覚してしまうし、
2段階も割引されるのでさらにお得感を感じてしまいます。
このように使い方次第で様々な場面で応用のできる心理効果なので、
ぜひ活用していただければと思います。
シャンパルティエ効果のまとめ
シャンパルティエ効果は言い方・表現の仕方一つで
物の見方を変えてしまう強力なテクニックにもなり得ますが、
場合によってはトラブルになってしまうこともあるかもしれません。
例えば、「全品20%割引!レジにてさらに80%割引!」
というような使い方をしてしまうと、
僕のような人間が「つまりタダってことじゃねーか!」と錯覚し、
結果レジで暴動を起こしてしまう可能性もあります。
さすがにこれは極端な話過ぎますが、
トラブルの元になるような過大な表現にならないように活用し、
売上アップに役立ててもらえれば幸いです。
それでは、今回も最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。