
ウキーッ!

ウキ…キキ…

ウィーン!ガシャン!

今年も右も左も分からない
猿の如き新入社員が入社してきた。
中にはロボットみたいなやつもいる。

こいつらを一人前に育て上げるのが
上司である俺の役目なんだけど、
人材育成なんてどうすればいいのか分からん!
どういう教育をすればいいんだー!?

(あんたも猿じゃないの)
そういう時は、まずはスキル・ウィル・マトリクスを使って
部下の性質を見定めてからそれぞれに合った教育方針をとるのよ。
というわけで、今回はスキル・ウィル・マトリクスについての解説をするわ。
「部下を何とか一人前に育て上げ、成果を出せるようにしたい!」
「でもどんな方針で部下を育成すればいいのか分からない!う~んどうしよう…」
起業された経営者の方や、課長や部長などの責任者の立場にいる方の中には、
こうした悩みをお持ちの方も多いのではないかと思います。
一口に「部下」と言っても、
人間である以上様々な性格や性質の方がいて、
時にはどういう風に接すればいいのか分からない!
となってしまうことも少なくないですよね。
というわけで、今回はそんな人材育成についてお悩みの方にオススメ!
コーチング(人材開発についてのノウハウのこと)の世界でも
よく取り入れられている手法の一つである
「スキル・ウィル・マトリクス」について解説していきます。
このスキル・ウィル・マトリクスを知っておくことで、
部下の性質を正しく把握し、それに合った教育方針を考えやすくなり、
部下に対して効果的な指導をして一人前に育てやすくなります。
「部下をどういう風に教育すればいいのか分からない!」
という方は是非試してみてください!
このページの目次です。
スキル・ウィル・マトリクスとは何か?
まずはスキル・ウィル・マトリクスとは一体何者なのか?
というところから解説していきたいと思います。
スキル・ウィル・マトリクスというのは、
感嘆に言うと人材の性質の見極め方と、
どの性質の人にはどのように接すればいいか?
というのをまとめたものです。
このスキル・ウィル・マトリクスの考え方では、
人材を主に4つのタイプに分けて考えます。
それは
- やる気も無いし能力も無い人
- やる気はあるけど能力が無い人
- やる気が無いけど能力がある人
- やる気も能力もある人
という4タイプです。
要するに「やる気」と「仕事の能力」の二つの要素に関して、
高いか低いかで人材の性質を判断するということですね。
そして、この4つのタイプそれぞれに適した指導や接し方をすることで、
最終的に最強の「やる気も能力もある人」にするのが目標です。
次の項目では、それぞれのタイプに対して
どのように接していけばいいのかを解説します。
4つの人材タイプに対しての指導・接し方
やる気はあるけど能力が無い人
まずはやる気は十分にあるんだけど、
能力が足りないという人に対しての接し方や指導についてです。
と言っても、スキル・ウィル・マトリクスの
考え方というのは基本的にシンプルで、
「その人に足りない要素を付け足す」というのが主です。
なので、やる気はあるんだけど能力が無いという方には
- 根気よく技術指導を行う
- 資格などを取るための支援をする
- 研修やセミナーなどに参加させて能力を伸ばす
などなど、積極的に能力を伸ばす方向で
指導することが必要です。
(何のひねりもなくて拍子抜けした!という方はごめんなさい!)
ただし、ここで注意したいのは、
指導するのは良いとしても、失敗した際などに
- 「こんなに教えてるのに何で出来ないんだ!?」
- 「分かっているなら何で失敗するんだ!」
と言った厳しい言葉を投げかけてしまわないことです。
相手はやる気はある、だけど能力には乏しいという人間ですので、
失敗をしてしまったり上手く行かないということは必ず起きます。
ですが、そこで厳しい言葉を投げかけてしまうと、
- 段々萎縮してしまって上手く動けなくなり、ミスが増える
- 叱られることに対するストレスが溜まり、やる気が無くなる
ということが起こってしまい、
せっかくのやる気すら無くなって、
やる気と能力を兼ね備えた完璧人間に進化するどころか、
やる気も能力も無い人間に退化してしまう可能性もあります。
※こうした厳しい指導は単にやる気が無くなってしまうだけではなく、
最悪の場合相手を鬱などの精神病などに追い込み、
重大なトラブルが発生してしまう可能性もあります。
詳しくは過去記事の
「学習性無力感とは?無気力人間を作らないための方法とその改善法」
をご覧ください。
やる気はあるけど能力はない!という方を指導する際は、
失敗やミスは必ず起きるものと考え、気を長く持って指導すること。
そして、悪かった点だけではなく良かった点も見て、
褒めてあげることが大切だと思います。
やる気は無いけど能力はある人
次は最初の人とは逆に、
能力はあるんだけどやる気が無い人の場合です。
こうした人の場合はとにかく
やる気を出させるような指導方針を取る必要があります。
しかし、やる気を出させると一言に言っても、
「やる気を出せ!」と叱りつけるだけではやる気は出ません。
むしろやる気を出せと命令されると、
自分の自由を侵害されることに対して反発する心理である
「心理的リアクタンス」が働てしまい、
逆にやる気がさらに低下してしまう可能性もあります。
※心理的リアクタンスは広告やキャンペーンなどに活用し、
売上を上げるためにも有効な心理効果です。
詳しくは過去記事の
「希少性の原理:商品の売上を5倍に伸ばす心理的リアクタンスとは?」
を是非ご覧ください。
やる気を出させるための方法というのは人それぞれだと思いますが、
まず一つ目には「重要感の欲求」を刺激するというのも手です。
重要感の欲求というのはデール・カーネギー氏の著書である
「人を動かす」にも出てくる言葉ですが、一言で言うなら
- 誰かに自分の能力を認めてほしい!
- 周囲に自分は価値のある存在だと思われたい!
という感情。
いわゆる承認欲求のことです。
能力があり、成果を出しているのに、
褒められることも感謝されることも無い…。
そんな状態ではこの重用感の欲求も満たされず、
「仕事頑張っても別に嬉しいことなんて無いしな…」
と感じてしまい、やる気も出ない場合があります。
なので、まずは相手の能力についてきちんと賞賛し、
成果を出していることに対して感謝する姿勢が大事です。
また、もしかしたら
「仕事がしにくい環境である」ということが
やる気の出ない原因の場合もあります。
職場が集中できる環境ではなかったり、
仕事をこなすのに面倒な手順が必要だったりすると、
やはりエンジンがかかるまでに時間がかかってしまいます。
なので、社員が仕事をスムーズにこなせるように
仕事の環境や手順などを見直してみるのも有効だと思います。
他にも、分かりやすく「報酬で釣る」という手もあります。
単純に仕事を上手くこなせたらその分ボーナスが出るとか、
早く仕上げてくれたら食事をおごるなど、
外的な報酬によっても人間のやる気を上げることは可能です。
あるいは
「仕事が終わったら定時の前でも帰っていいよ」
というのも報酬の一つかもしれません。
ただし注意するべきなのは、こうした
外から与えられる報酬によって出るやる気というのは、
その報酬がなくなった途端にやる気が出なくなってしまうようになってしまいます。
※詳しくは過去記事の
「内発的動機づけと外発的動機づけ:子供や部下のやる気を出す方法!」
をご覧ください。
長い目で見るなら、報酬で釣るという形よりも
部下自身の内からやる気が出るように指導したいものですね。
やる気も能力もある人
やる気も能力もある人の場合は、
特に意識して指導をする必要もありません。
その人を信じて仕事を任せる!
というだけでも結構です。
強いて言うなら、
せっかくの能力ややる気を損なわないように
接し方に注意をするというのが重要ではないでしょうか。
前述のように、しっかりと感謝をする姿勢などが大切ですね!
能力もやる気も無い人
そして最後に能力もやる気も無い人の場合ですが、
まずこうした人を育成する場合は、
- まずはやる気か能力のどちらかを付ける
- そしてその後にまた足りない要素を伸ばす
という2段階を経る必要があるでしょう。
つまり他のタイプの人と比べて倍以上の手間がかかります。
いきなり最強の「やる気も能力もある人」に育成することは出来ませんので、
じっくりと腰を据えて育成する必要があるでしょう。
ただし、こうした人はそもそもを言ってしまえば
「採用の時点で判断を誤ってしまった」とも言えます。
なので、根気よく育成をする手間を考えたら、
ちょっと悲しいですが早々にクビにしてしまい、
他の人を雇った方が効率が良い場合もあります。
(こうした人のために、各企業では試用期間というのを設けてるわけですしね)
そして今後はなるべくこうした人材を採用してしまわないように、
採用基準や判断方法などを改善していく必要がありますね。
部下の性質に合わせた指導で一流に導こう!
今回の内容は以上になります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
スキル・ウィル・マトリクスを意識することで、
部下の性質を正しく把握し、
それに合った指導をすることが可能です。
あなたの部下が最強の「やる気も能力もある人間」に成長できるように、
是非活用してみてください。