「割れ窓理論」って知ってるかしら?
小さな不正や犯罪なんかも放置しているとドンドン悪化して、
最終的には大きな問題や重犯罪に発展してしまうのよ。
これは別に犯罪だけではなく、
会社内の小さな不正や問題などにも当てはまるわ。
つまりどんな小さな不正も見逃してはいけないのよ。悪・即・斬ね。
斬らんでもいいですよ。
皆さんどうもこんにちは。
ロボパン編集部の須田です。
突然ですが、この記事を読んでいるあなたの会社には
(会社のみならず、クラブや学級などでもいいですが)
- 決められた手順を省略し、危険な作業をしている社員がいる…
- 会社の備品が知らない間にちょっと減っている…
などなど、こうした軽微な問題がよく見られる…ということはありませんか?
そしてその問題を
- でも、別に大きな事故とかは起こってないからいいか…
- 少しくらい備品が無くなっても大した損失じゃないし…
と軽く考えて、半ば黙認している…
ということはないでしょうか?
確かに、大した実害もないような不正行為は
それをいちいち口を酸っぱくしてとがめるというのも面倒ですし、
放っておいてしまうということも良くあると思います。
しかし、実はこうした軽微な問題を放置していると、
知らず知らずのうちに大きな問題に発展してしまうこともあります。
ということで、今回はそうした後の重大事故などを防ぐために
「割れ窓理論」という法則について解説していきたいと思います。
例えば先ほども例に出した「備品の横領」なども、
僅かな量なら気にならないかもしれませんが、
塵も積もれば山となって後々大きな損害になってしまうかもしれません。
- 会社の社長さんや管理職の方
- クラブなどのキャプテン
- 学校の先生
などの方には、後の重大事故・重大問題を未然に防ぐために、
ぜひ読んでおいてほしいと思います。
このページの目次です。
割れ窓理論とは何か?
まずは割れ窓理論の説明から始めていきたいと思います。
割れ窓理論とは、アメリカの犯罪学者である
ジョージ・ケリング氏とジェームズ・ウィルソン氏が提唱したもので、
「小さな犯罪も徹底して取り締まることで、重大な犯罪も未然に防げる」
という内容の法則です。
逆に言うと、小さな犯罪を見逃したり黙認したりしていると、
それがエスカレートしていって重大な犯罪を起こす…
という事にもなりますね。
ちなみに、この理論がなぜ割れ窓理論という名前なのかと言うと、
- 誰かが窓ガラスを割る
- その割れた窓ガラスを放置する
- すると、「窓が割れていても誰も気にしない」という認識が広まる
- 「窓を割っても大丈夫」という認識のせいで、また窓が割られる
- そのうち窓を割られるだけではなく、その窓から泥棒が入る
という事例から、こうした名前がつけられたというわけですね。
割れているのに放置されている窓を見ると、人はついつい
- 窓を割っても大丈夫なんだ
- 窓を割っても怒られないんだ
と考えてしまいます。
過去記事の
「集客に必要なのは圧倒的多数の実績!?社会的証明の原理とは?」
「バンドワゴン効果:なぜお客様の声を掲載すると売上が上がるのか?」
では、「人間は多くの人が取っている行動を正しいと感じて真似をする」という
「社会的証明の原理」や「バンドワゴン効果」という心理効果をご紹介しました。
「他の人がやっているんだから、自分もやってもいい」という
この割れ窓理論も、これらの心理効果に似ていますね。
徹底的な取り締まりで犯罪率激減!?
「小さな犯罪を徹底して取り締まることで、重犯罪を防ぐ」
という割れ窓理論ですが、これを示す事例ももちろんあります。
1980年代のニューヨークは犯罪が非常に多い
「犯罪多発都市」として有名でした。
しかし、1994年にニューヨーク市長に当選した
ジュアリー市長は治安の回復をスローガンに
警備職員を5000人も増員し、
万引きから落書きまで細かい犯罪も徹底して取り締まりました。
その結果なんと殺人事件の件数は67,5%減少!
強盗事件は54,2%減少!という結果が出たそうです。
細かい犯罪を徹底的に取り締まった結果、
その他の重犯罪の件数もなんと半分以下になったとは驚きですね。
細かな不正を見逃していると、段々エスカレートする
この割れ窓理論は犯罪学者さんが提唱したものではありますが、
別に犯罪のみならず、我々の身近にある様々な物事にも当てはめることが出来ます。
例えば、冒頭で例として出した
備品のちょろまかしなんかもそうです。
ほんの少しの量だからと言って黙認していると、
次第に持ち去る量が増えていくかもしれません。
あるいはより高価な備品を取るようになるかもしれません。
もしくは、備品を勝手に持ち帰っても怒られないというのが社員の間で広まって、
より多くの社員が備品を勝手に奪い取っていくようになる場合も考えられます。
また、他の例を考えるなら、例えば学校のイジメ問題です。
最初は単なる「いじり」程度かもしれませんが、
単なる遊びだからと注意をせずにいると、
知らない間に「いじめ」に発展してしまう可能性もあります。
小さな不正や小さな問題というのは、
大した実害もないのでついつい放置してしまいがちですが、
結局はそうした怠慢が後の大きな問題につながるということですね。
余談:ディズニーランドも割れ窓理論を意識している
これは余談ではありますが、
有名なテーマパークの筆頭として名高い
「東京ディズニーランド」も
この割れ窓理論を意識した働きをしています。
ディズニーランドでは施設内のわずかな傷などがあると、
すぐにペンキを塗り直したりという修繕作業を行うそうです。
細かな破損個所なども放置しておかず、
すぐに修理することによって施設内をキレイに保つだけではなく、
スタッフそれぞれにも「施設をキレイにする」という意識を持ってもらえます。
また、この取り組みのお陰でディズニーランドはスタッフだけではなく、
来客の方々もマナー良く施設を使うようになったとのことです。
割れ窓理論は活用の仕方によっては、
内部のスタッフだけではなく外部のお客様も
良い意味で巻き込むことができるというわけですね。
細かな不正も見逃さずチェックしておこう!
今回の内容は以上になります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
「風邪は万病の元」…とはちょっと違うのかもしれませんが、
些細な不正や小さな問題も、放置しておくとどんどん膨れ上がり、
やがては大きな事故などに発展してしまうことが多々あります。
「実害はないから…」と思って放置せず、
しっかりと不正を正すことが未来のトラブルを回避する鍵かもしれませんね!