
今回は「ブーメラン効果」という心理について説明します。
ブーメラン効果というのは、相手を説得するとかえって逆効果になり、
相手が説得した内容とは逆の行動や態度を取ってしまうことです。

そろそろ勉強しようかな~って思った矢先に
「勉強しなさい!」って母ちゃんに言われて
勉強する気が一気に失せるあの現象だな!

あんたは絶対勉強する気なかったでしょ。
- 「勉強しろって言ってるのに子供が遊んでばかりいる!」
- 「部下が中々言う事を来てくれない…自分は威厳が足りないのかな…」
あなたはこんな経験をしたことがありませんか?
(もしくは現在進行形でこうしたことに悩んでいませんか?)
子供が遊んでばかりいても別に構いませんが、
それで学校の成績が著しく落ちてしまうのは問題です。
部下が言う事を聞いてくれないのも別にいいのですが、
そのせいで仕事でミスをしたり遅れが出てしまったりするのはいただけませんよね。
- 「何とか言う事を聞いてもらいたい!」
- 「けどどうすればいいのか分からない…」
今回はそんなお悩みをお持ちの方に役立つ心理効果
「ブーメラン効果」についてご紹介していきます。
このブーメラン効果を理解することによって、
中々言う事を聞いてくれない子供や部下を
正しい行動に誘導できるようになると思います。
是非最後まで読んで実践してみてください。
ブーメラン効果とは何か?
まずはブーメラン効果についての解説です。
ブーメラン効果というのは簡単に説明すると、
「相手が説得した内容とは逆の行動・態度を取ってしまう」
という意味の心理学用語です。
冒頭の例でもご紹介しましたが、
例えば「勉強しなさい!」と口を酸っぱく言ってるのに
勉強をせずに遊んでばかりいる子供…というのは、
言ってしまえばこのブーメラン効果を表す典型的な例です。
「勉強しなさい!」という説得に対して、
「勉強をしない」という逆の行動・態度を取っているわけですね。
ブーメラン効果の原因は心理的リアクタンスにある
何故人間は言われたことをやらないのか?
その原因は過去記事の
「希少性の原理:商品の売上を5倍に伸ばす心理的リアクタンスとは?」
でもご紹介した「心理的リアクタンス」という人間の習性が関係しています。
人間は基本的に「自分の自由を制限されることが嫌い」です。
そして、自由を制限されそうになった時に
それに対して反発する習性が心理的リアクタンスです。
例えば、子供に好き嫌いせずにピーマンなどを食べるように注意したとします。
すると、「ピーマンを食べろ」という発言は、
子供の「ピーマンを食べなくてもいい自由」を制限していることになります。
すると当然子供は嫌そうな顔をして拒絶したり、
行動力のある子供なら逃げ回るかもしれません。
ブーメラン効果の根っこには、
こうした「自由を制限されることを嫌う」という
人間の性質が関わっているのです。
押してダメなら引いてみよう
- 「勉強しなさい!」
- 「〇〇の業務をしなさい!」
という風に、上から高圧的な態度で物を言うと、
心理的リアクタンスが働いて結局反発されてしまいます。
なので、こうした場合は
少しアプローチの仕方を変えてみる必要があります。
例えば、ただ頭ごなしに
勉強をするように強要するのではなく、
「次のテストでまともな点数取る自信があるなら勉強しなくていいよ」
という風に言って聞かせるというのも一つの方法です。
いう事を聞かない社員などの場合は
- 「普段は〇〇〇〇という手順で仕事をしている」
- 「けど、これよりも効率的に仕事が終わるなら別の方法でもいいよ」
という風に言ってみるのも良いかもしれません。
もしくは
「皆××××という方法で仕事をしているけど、あなたはやらなくてもいいよ」
とか
「やれ!」と言うと「やらなくてもいい」という自由を
制限することになるので、逆にやりたくなくなってしまいます。
しかし、逆に「やるな!」と言われると「やってもよい」という
自由を制限されることになってしまうので、
逆にやりたくなってしまうということですね。
何だか人間というのは本当に天邪鬼な生き物ですねぇ。
ブーメラン効果の性質を理解して、上手く誘導しよう!
人間は心理的リアクタンスが働いてしまうお陰で、
素直に相手の言う事を聞けないということがよくあります。
そのため、あくまで相手が自分の内から
「〇〇した方が良いかもしれない」と考えるように
誘導してあげる必要があります。
あなたもブーメラン効果を意識して部下や子供と接し、
正しい行動を取ってもらえるように
言い方などを工夫してみましょう。
それでは、今回も最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。