チンパンジー(不安)

ちょっとお腹が痛いな…

トイレに行こう…。

 

あかパンジー(驚き)

すまん!先にトイレ使ってもいいか!

トイレしなくちゃいけないから!!

 

チンパンジー(不安)

えっ!?えっとよく分かんないけど

分かった、いいよ先に使っても…。

 

その後

 

あかパンジー(得意げ)

いや~助かったぜ!ありがとうな!

危うく間に合わないところだった!

 

チンパンジー(不安)

チンパンジー(不安)う、うん。どういたしまして。

(よく思うとトイレしなくちゃいけないからトイレ先に使わせてって、理由になってないよな~。

何でOKしちゃったんだろう?)

 

 

ロボット

「〇〇しなくてはいけないので〇〇させてください」

というのは循環論法という話法で、

理由になっていない理由ではありますが、

ついつい勢いで押し切られてしまうことが多々あります。

 

どうもこんにちわ。

ロボパン編集部の須田です。

 

突然ですが、人間生きていると、

どうしても緊急の用事が出来てしまい、

早急に人を説得して自分の用件を済ませなくてはいけない…

という状況に陥ってしまうこともあると思います。

 

例えば

 

  • お腹が痛くてトイレに行ったら同じタイミングで他の人が!
  • 間もなく始まる会議の資料をコピーしないといけないのに、コピー機に先客が…

 

などなど、これらはほんの一例ですが、

こうしたシチュエーションに遭遇することもありますよね。

 

今回はこんなシチュエーションに出くわしてしまった時、

何とか相手を説得して先を譲ってもらうのに有効な方法である

「循環論法」という話し方について解説していきたいと思います。

 

知っておくことで、

もしかしたらあなたのいざという時に

役立ってくれるかもしれません。

 

気になった方は是非、

最後まで読んでみてください。

 

循環論法とは何か?

 

循環論法

 

まずは循環論法とはどういうものか?

解説していきたいと思います。

 

循環論法というのはWikipediaによりますと

 

ある命題の証明において、その命題を仮定した議論を用いること。証明すべき結論を前提として用いること。

ある用語の定義を与える表現の中にその用語自体が本質的に登場していること。

 

という説明がされていますが…

なんだか分かりにくいですね。

 

ということで、この説明を分かりやすく例文で表すと

 

  • カレーが美味しい理由はカレーだから
  • 砂糖が甘いのは砂糖だから
  • 鉄が硬い理由は鉄で出来ているから

 

と、極端に言うとこういうことになります。

 

何だか「花の慶次」というマンガに出てくる前田慶次のセリフの

「虎は何故強いと思う?もともと強いからよ」というのに似ていますね。

 

例えば先ほど例に出した

「カレーが美味しい理由はカレーだから」というのは、

「カレーは何故美味しいのか?」という命題を証明するために

「カレーは美味しい物だから」という、

カレーが美味しいということを前提にした議論をしています。

 

しかし質問者からしてみれば

「だから何でカレーは美味しいんだよ!理由になってねーよ!」

という具合になってしまいますよね。

 

これ以上カレーカレー言ってるとカレーが

ゲシュタルト崩壊してしまいそうなのでやめますが、

ようするに循環論法というのは「理由になっていない理由付け」

というものだと考えていただければいいかと思います。

 

循環論法は説得に使える!?

 

普段の会話

 

この一見すると理由になっていない理由を

言っているだけの循環論法ですが、

実は緊急時に相手を説得しなくてはいけない場合、

意外に効果的だったりもするのです。

 

ハーバード大学のエレン・ランガー教授はある実験を行いました。

 

その内容はコピー機でコピーを取ろうとしている人に、

2種類のパターンでお願いをするというもの。

 

一つは

「すいません、先にコピーを取らせていただけませんか?」

と言うだけのパターン。

 

もう一つは

「すいません、コピーを取らなくてはいけないので先にコピーを取らせていただけませんか?」

という循環論法を使ったお願いをするパターン。

 

この2種類のお願いをしてみて、

どちらの方がお願いが通りやすいかを

計測するという実験です。

 

この実験の結果、

前者のただお願いするだけのパターンの場合、

60%の人が先にコピーを取らせてくれました。

 

しかし後者の循環論法を使ってお願いするパターンの場合、

なんと前者の1,5倍にもなる93%の人が先に

コピーを取らせることを了承してくれたのです。

 

「コピーを取らなくてはいけないので、先にコピーを取らせてほしい」

なんて言われても、冷静に考えればこっちだってコピー取らなきゃいけないんだし、

順番を譲ってあげる理由には全くならないわけです。

 

しかし、それなのに93%、ほぼ全員の人が

相手に先にコピーを取らせてあげている…。

なんとも不思議なお話ですよね。

 

勢いに負けてついつい了承してしまう

 

循環論法は理由になっていない理由を語る

実の無い論法です。

 

ですが、何かをお願いする時に

「理由っぽい何か」がくっついてくることで、

相手は勢いに負けて了承しやすくなってしまいます。

 

そのため、どうしても緊急の用事があって、

相手にお願いをしなくてはいけない時、

上手く相手を説得する理由が見つからない場合などに

使ってみると助かる場面もあるかもしれません。

 

(ただし、使いすぎると悪い印象を持たれるかもしれませんので注意)

 

また、逆に自分がこの循環論法によって

相手に操作されていないか?

というのも気を付けましょう。

 

ついつい相手の勢いに負けてしまって、

結果的に不利益を被ってしまっている場合があるかもしれません。

こちらも十分に注意してみてください!

 

今回のお話は以上になります。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。