この仕事を今日中にやってきてほしいんだけど、
お願いできる?
え~と、今日はちょっと体調が悪くて…。
今日中には難しいかも…。
(こうやって前もって言い訳をすることを
セルフ・ハンディキャッピングというのよ。
前もって言い訳をすることで「失敗しても仕方ない…」という逃げ道が出来て、
結果的に物事の成功率は低くなってしまうわ)
Aさん「今日から中間試験だね。勉強してきた?」
Bさん「いや~全然勉強してなかったよ~。やべーな~」
Aさん「実は俺も全然勉強してなかった!いや~今回はダメかな~」
…という会話を学生の頃などにしたことがある!
という方は多いのではないでしょうか?
ちなみに僕は中学・高校時代、試験が来るたびにこんなことを
友達と言い合っていたような気がします。
このように「何かをする前に、あらかじめ失敗の言い訳をする」という行為は、
何も学生時代特有の会話ではなく、社会人になった後でもよく目にすると思います。
・「〇〇だから失敗するかもしれませんが…」
・「多分上手くは行かないだろうけど、一応やってみます」
・「難しいかもしれませんが、試してみます」
あなたもついつい口にしてしまったことがあるのではないでしょうか?
…僕ですか?しょっちゅう言ってますとも!
学生の頃から進歩してないですね!
こうした「前もっての言い訳」のことを、
心理学では「セルフ・ハンディキャッピング」と呼びます。
そして驚くべきことに、このセルフ・ハンディキャッピングを
してしまうと、物事の成功率が下がってしまうそうです。
というわけで、今回は
・何故人はセルフ・ハンディキャッピングをしてしまうのか?
・セルフ・ハンディキャッピングをすると、何故失敗率が上がるのか?
という内容を解説していきます。
普段ついついセルフ・ハンディキャッピングをしてしまっているという方は、
無用に物事の失敗率を下げないようにぜひぜひ読んでみてください。
セルフ・ハンディキャッピングは何故言ってしまうのか?
では、まずはセルフ・ハンディキャッピングについて解説していきます。
セルフ・ハンディキャッピングとは
エドワード・E・ジョーンズという方によって提唱された概念です。
何故人間はこうした行動・発言をしてしまうかというと
・失敗した時のショックを和らげるため
・成功した時の自分の価値を底上げするため
という二つの狙いがあって、ついつい行ってしまいます。
例えば、学生によくある「勉強してないから今回のテスト辛ぇわ~」
という発言を例に挙げて分析してみると
悪い点だった場合:「勉強してないから当然」という言い訳になる。
良い点だった場合:「勉強してないのに良い点とる俺すげぇ!」となる。
…前もって予防線を張っておくことで、
失敗した時のショックや周囲の評価の下がり具合を抑え、
成功した時の価値は上がるようになります。
どっちに転んでも自分はノーリスクになる発言を、
人間は「ついつい」言ってしまうわけです。
これって逆にすごくないですか?人間って頭いいな~オイ!
自信がない人ほど言ってしまう
このセルフ・ハンディキャッピングですが、
当然ながら根本にあるのは「自分への自信の無さ」です。
なので、自信がない人ほど言ってしまいがちです。
…もしかしたら心の底から自信満々の人は、
勉強を一切せずにテストに臨んでも
「勉強とか一切してないけど余裕っしょ?」
とか言うのかもしれませんね!
逆に言うと、普段は自信満々そうにしている人でも、
このセルフ・ハンディキャッピングを頻繁にしているのであれば、
実は自分に自信がない方なのかもしれない…と見ることも出来ます。
セルフ・ハンディキャッピングは、
自信の無さを補うための行動なのです。
セルフ・ハンディキャッピングが成功率を下げる?
冒頭でもご紹介した通り、このセルフ・ハンディキャッピングを
している人は物事の成功率が低下してしまうというデータがあります。
前もって失敗してしまう言い訳をすることによって、
無意識の内に「失敗してもOK」という考えを持ってしまい、
困難に直面した時に逃げ腰になり、諦めや妥協をしてしまうのがその原因です。
セルフ・ハンディキャッピングは自分を守るための行動ではありますが、
結局はその場しのぎでしかなく、長い目で見たら損をしているのかもしれません。
あえて「できます!」と言ってみよう!
逆に、勇気を持って
・「できます!」
・「何とかします!」
と言ってみることが、成功への道なのかもしれません。
人間には自分の発言や行動に一貫した言動を取ろうとする
「コミットと一貫性の原理」という心理効果があります。
(コミットと一貫性の原理について、詳しくはリンク先の記事をお読みください!)
発言と行動が一致しない人間と言うのは、
社会において嘘つき・適当な人間・軽薄な人間と
見られてしまいます。
そして、人間はそのような不名誉な評価をされないように、
自分の立場や言動と一貫した態度を取るようになります。
あえて前もって強気な発言をすることによって、
その後の行動自体も発言に引っ張られていき、
結果的に成功する可能性が高くなるかもしれません。
また、失敗したとしてもそれは全力でやった結果でのことなので
・「手を抜いたから失敗した」
・「真面目にやってれば成功していた」
などの言い訳が入る余地のない、
「この方法では上手く行かなかった」という
純粋なデータが残ります。
エジソン風に言うなら「上手く行かない方法を一つ見つけた」ということになります。
そのデータは次の機会に必ず役に立つはずです。
・「やります!」
・「できます!」
とハッキリ言うことは非常にプレッシャーがかかることで、勇気がいります。
しかし、本当に大事な結果は、
もしかしたらそうした逆境の中から生まれるのかもしれませんね!
ではでは、今回はこれにて終了です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!