韻を踏むことの重要性

今回の要点先読みコーナー

 

・韻を踏むことによってそのものに対する好感度が増す!

・韻を踏むことで同じような言葉でも覚えやすくなり、説得力が出る

・韻を踏んだキャッチフレーズを作るためには、ともっかう言葉をたくさん知ること!

 

それでは詳しい内容が気になった方は本文をお読みください。

 

 

今回は商品名やキャッチコピー、キャッチフレーズを作る際に使える知識。

「韻を踏むことで得られる3つのメリット」をご紹介していきます。

 

最初に、皆さんはイギリスで放映されたこんなCMをご存じでしょうか?

 

ある母親が夕食の準備をしていると、

子供が大勢の友達を連れて帰ってきます。

 

そして子供が「ママ、みんなも一緒におやつを食べてもいい?」と聞くのです。

 

そして母親はちょっと呆れた顔で、

戸棚からベイクドビーンズ(インゲン豆をトマトスープで煮たもの)の缶を

次々と取り出してきます

 

そして、その映像に合わせてキャッチフレーズが流れます。

 

「多くの主婦が毎日この缶詰を手に取って言います。」

「ビーンズ・ミーンズ・ハインツ」(ビーンズといえばハインツという意味)

 

…これはハインツ社のベイクドビーンズのCMですが、

なんとこのCMあまりにも反響が大きすぎて30年以上も放映されていたそうです。

 

このハインツ社のCMがなぜここまでの反響を得ることができたのか?

その答えが今回ご紹介する「韻を踏む」というテクニックに関係しています。

 

では韻を踏んだ言葉というのは一体どのような効果があるのか?

その謎について解説していきたいと思います。

 

 

 

 

 

韻を踏むことで得られる3つのメリット

 キャッチフレーズは韻を踏め

まずは結論から言うと、

韻を踏んだ言葉というのは

 

・好感を持ちやすい

・覚えやすい

・なぜか説得力を感じる

 

この3つのメリットがあります。

 

「韻を踏むのなんて単なる言葉遊びなのに、なんでそんな効果があるの?」

 

と思う方もいると思います。

 

しかし、韻を踏んだ言葉に対してこうした感情を抱くのにはちゃんと理由があるのです。

 

 

好感度の秘密は「フルーエンシー」にある!

 

フルーエンシーというのはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、

一言で言うと「やりやすさ」というものだと思ってください。

 

韻を踏んだ言葉というのはその流れるような語感から

 

・口に「出しやすい」

・理解が「しやすい」

 

という長所があります。

 

基本的に生き物というのは難しいことを避け、

簡単で楽なものを好む傾向があります。

 

それは日常の会話などにも反映されます。

 

例えば発音しやすい名前の人はそうでない人よりも

40%も好感度が高くなるという実験データもあります。

 

韻を踏んだ言葉というのは発音もしやすいので、

言いやすい名前の人の例と同様に好感が持ちやすいのだと思います。

 

また、「口に出しやすい=自分で言ったり、誰かから聞く機会が多い」と考えると、

その言葉に接触する回数が多くなるため、

ザイオンス効果が発生しているのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

韻を踏むと理解力アップ!?

 記憶よりも記録

「言いやすい言葉が好感を持ちやすいのは分かったけど、説得力とかはどうなの?」

 

と疑問に思う方もいると思いますが、

なんと実際に韻を踏んだ言葉の方が理解しやすく、

説得力も高くなるという実験例があります。

 

これは社会科学者のマシュー・マッグローンという方と、

ジェシカ・トゥファイバクシーシという方が行った実験です。

 

二人は「そういえば韻を踏んだことわざってよく耳にするな」という点に着目し、

韻を踏んだ言葉とそうでない言葉ではどっちが説得力があるのかを実験で測ってみました。

 

具体的には

 

「用心とメジャー(手はず)を怠らなければ、トレジャー(宝)が舞い込む」

 

という言葉を

 

「用心とメジャーを怠らなければ、リッチ(金持ち)になれる」

 

という具合に変える…つまり、既存のあまり知名度がないことわざを、

韻を踏んだバージョンと踏んでいないバージョンに分け、

それを被験者に聞かせて反応を見るという実験です。

 

この実験の結果、なんと実験に参加した方全員が

韻を踏んだ言葉の方が説得力があると感じたそうです。

 

言ってることはほぼ同じなのにですよ!?

韻を踏むってスゲー!!

 

韻を踏んだ流ちょうな言葉というのはスッと頭に入ってきやすく、

その分理解もしやすいので説得力も増すということですね。

 

 

 

 

 

様々な企業で使われている韻を踏んだキャッチフレーズ

 ドヤ顔のプレゼンター

こうした韻を踏んだ言葉をキャッチフレーズにしている

有名店や大企業・商品は実際に多くあります。

 

例えば

 

・「はやい・やすい・うまい」吉野家

・「おいしいを、ずっと。あたらしいを、もっと」ケンタッキー

・「インテル入ってる」インテル

・「やめられない、とまらない」かっぱえびせん

 

などなど…。

 

もちろん、こうした企業や商品が成功しているのは、

何も韻を踏んだキャッチフレーズのお陰ばかりではありません!

 

しかし、成功の要因の一つとして

こうした語感の良い商品名やキャッチフレーズがあるというのも一つの現実だと思います。

 

 

韻を踏むための3つの方法

 

では、実際に韻を踏んだ語感の良いキャッチフレーズを

作るにはどうすればいいのか?

 

代表的な3つの方法を紹介していいきます。

 

 

子音をちょっとだけ変えてみる

 

ローマ字にしてみると分かりやすいですが、

基本的に言葉というのは

 

・おいしい→oisii

・辛い→karai

・苦い→nigai

 

という風に、あいうえお(aiueoの部分とそうでない部分の組み合わせでできています。

 

このあいうえおの部分が「母音」と呼ばれ、

その母音の前にくっつく部分を「子音」と言います。

 

一つの言葉の子音の部分をちょっと変えることでも、

韻を踏んだフレーズを考えることは可能です。

 

例えば「おいしい」という言葉を元に韻を踏むなら、

 

・「おいしいが恋しい」(oisiikoisii

 

とか…。(即興で作ってるのでクオリティ低いのは勘弁してください)

 

「韻を踏みたい言葉の子音をちょっと変える」

 

これだけでも韻を踏むことは可能です。

 

 

前後に少し文字を付け足す

 

言葉の前後に文字を足すことで韻を踏むことも可能です。

 

例えば「タンス」という言葉を元にこの方法を使うなら

 

「邪魔なタンス、捨ててくスタンス(態度や姿勢のこと)」

 

…というのはどうでしょうか。

 

ちょっと言葉を足して別の語感が似ている言葉にしてしまうというのも、

韻を踏むテクニックとしてアリだと思います。

 

 

何よりも語彙力が大切

 言葉の引き出しが大事

韻を踏んだ言葉を作るには、

何はともあれ「色んな言葉を知っている」というのが重要です。

 

なので、辞書はもちろん漫画や小説でも何でもいいので、

本を読むというのが案外近道かもしれません。

 

本に出てくる言葉というのは、

テレビやラジオなどの「みんなが分かりやすい言葉」ではなく、

聞きなれないかわった言葉である場合も多々あります。

 

そうした聞きなれない言葉に触れていくことで、

自然と語彙力が上がっていくと思います。

 

 

キャッチフレーズで韻を踏むことのメリットまとめ

 

・韻を踏むことによってそのものに対する好感度が増す!

・韻を踏むことで同じような言葉でも覚えやすくなり、説得力が出る

・韻を踏んだキャッチフレーズを作るためには、ともっかう言葉をたくさん知ること!

 

韻を踏んだキャッチフレーズというのは、

あくまでビジネスを成功させるための小さな部品の一つ!

これだけですべてが上手く行くようなものではありません。

 

しかし、こうした小さな努力の積み重ねの上に

成功という結果が出来上がるのだと思います。

 

韻を踏んだキャッチフレーズや商品名に固執しすぎてもいけませんが、

ビジネスを円滑に進める上での戦術の一つとして活用していただければ幸いです。