今回の要点まとめコーナー
・商品の良い点だけを伝えて、逆にお客さんから不審がられることもある
・場合によってはクレーム対応などに追われる可能性もある
・商品の短所にあえて自分から触れることで、相手の信頼を得ることが可能
・あまりにも致命的な短所だと当然商品は売れない
・短所をさらす時は、その短所と関係性の深い長所も合わせて紹介することが必要
それでは詳しい内容が気になった方は本文をお読みください。
今回は営業トークやコピーライティングに使える、
「お客さんから信頼を得る会話・文章術」をご紹介します。
しかも今回はなんと「商品の弱みを強みに変えることができる」という、
目から鱗が落ちるようなテクニックです!
とても使い勝手が良いテクニックなので、
ぜひあなたのビジネスに取り入れてみてください。
商品の弱点にあえて触れることで信頼を得る!
今回ご紹介するテクニックは、
「商品の弱点にあえて触れることでお客さんからの信頼を得る」
というものです。
広告を作る時や営業でお客さんに商品をアピールする時などは、
ついつい商品の弱点・欠点には触れずに良い点だけを並べ立ててしまいがちですよね。
しかし、そうした場合「良いことばっかり言っててなんか嘘くさいなぁ…?」と
逆にお客さんの不信感を買ってしまったり…
または商品を売った後でその商品の弱点が明るみになり、
クレーム対応に追われてしまったり…
というデメリットがあります。
特に後者の場合、悪くすると怒りを買ったお客さんから
「あの会社は粗悪品を売りつける詐欺業者だ!」
というレッテルを貼られてしまい、会社のイメージに深刻な傷がつく場合も考えられます。
しかし、商品のデメリットや弱点などを自分から正直に説明することによって、
相手に誠実なイメージを与えることができ、結果的に商品の成約につながったり、
クレームなどを抑える働きが期待できます。
「でも、商品の欠点を言うとお客さんが買ってくれないんじゃないの?」
と疑問に思う方も当然いることと思います。
次の項目では、「あえて弱点を説明することで商品が売れた例」
について説明していきたいと思います。
「かっこ悪い」をあえて宣伝に使って大ヒットした例
見た目の不格好さをあえて宣伝に使って大ヒットしたある自動車があります。
それこそ、今では有名になったフォルクスワーゲン社の小型車「ビートル」です。
その昔、広告代理店であるドイル・デイン・バーンバック社は大型車が主流のアメリカで、
このビートルを売らなければならないという問題に直面していました。
ビートルは価格が手ごろで燃費が良いという長所もありましたが、
見た目はどう見ても小型で、大型のアメリカ車のようなかっこよさはありませんでした。
そこでDDB社はどうしたかというと、
あえて燃費の良さや価格などの長所ではなく
・「不格好なのは見た目だけ!」
・「ずっと不格好なままでいい!」
と言う、まずはあえて見た目の悪さに触れるような見出しを広告に掲載し、
燃費などの長所は後回しにしたのです。
その結果、ビートルは読み手の信頼を得ることができ、
この当時の販売キャンペーン期間中売り上げが全く落ちず大ヒットとなりました。
このように、商品の弱点・欠点を自らさらすことによって相手の信頼を得ることができ、
その後に紹介する長所がより際立つということがよくあります。
また、この他にも「世界で第2位のレンタカー会社」であるエイビス社は
「エイビスはナンバーツーです。だからこそ頑張っています」
というキャッチフレーズを掲げていたりしますね。
あとは僕自身の体験になると、除雪などのサービスを行っていた時は
「対応範囲をあえて狭い地元近辺に抑えることで、
お客様のご要望にすぐに対応できるようにしています!」
という風に広告に書いていました。
良い所ばかりではなく、自ら商品・サービスの
欠点に触れるのが信頼を得る上で効果的なこともあるのです。
あくまで小さな欠点でなければ意味がない
しかし、「よし、じゃあどんな欠点がある商品でも言い方ひとつで売れるのか!」
と言われると、もちろんそんな美味い話ではありません。
欠点の内容があまりにも致命的だと、さすがに敬遠されてしまいます。
例えば極端な例で言うと
・「たまに走行中に空中分解しますが、燃費は最高!性能もベンツ並みの車です!」
・「たまに爆発事故が起きますが、作業効率が3倍に上昇する機械です!」
…という商品があったら皆さんは買いたくなるでしょうか?
僕はさすがに無理です…。
これはあくまで極端な例ですが、致命的な欠陥を持っている商品などは
自分から弱点に触れても結局は手に取ってもらえない可能性があります。
まずはしっかりとした商品を作るのが第一で、
その商品の小さな欠陥にあえて触れることで信頼を得られる…ということです。
短所と長所の関係性が重要
また、この「短所をあえてさらす」という方法は、
後に紹介する長所と関係性の深い短所を紹介するのが効果的です。
ちょっと何言ってるか分かりづらいかもしれませんので、
実際の研究の例を出して説明します。
社会科学者であるゲルト・ボーナーさんはある実験を試みました。
その実験というのは
1:「当店はくつろいだ雰囲気です」
2:「当店はくつろいだ雰囲気ですが、駐車場はありません」
3:「当店は狭いですがくつろいだ雰囲気です」
というレストラン向けの3種類の広告を用意し、
どれが一番評価が高いかを測る実験です。
この3種類の広告はそれぞれ
1:お店のプラス面だけを紹介している
2:お店のプラス面と、プラス面とは関係性が薄いマイナス面を紹介している
3:お店のプラス面と、プラス面と関係性が深いマイナス面を紹介している
という関係にあります。
この実験で最も評価が高かったのは3つ目の
「プラス面と関係の深いマイナス面を紹介している広告」でした。
つまり、この実験結果からも分かるように、
紹介するプラス面とマイナス面が関係の深い事柄である方が、
より高い説得効果が得られるということですね。
例えば「コーヒーがまずい喫茶店」だったら
「コーヒーはまずいですが、広い専用駐車場があります」
という風に関係性の薄い短所・長所を紹介しても効果は薄い。
しかし「コーヒーはまずいですが、紅茶とケーキはおいしいです」
という風に短所・長所を紹介すれば高い効果が得られるということですね。
商品やサービスの短所をさらす時は、
同時に関係性の深い長所も紹介するように心がけましょう。
今回のまとめ
・商品の良い点だけを伝えて、逆にお客さんから不審がられることもある
・場合によってはクレーム対応などに追われる可能性もある
・商品の短所にあえて自分から触れることで、相手の信頼を得ることが可能
・あまりにも致命的な短所だと当然商品は売れない
・短所をさらす時は、その短所と関係性の深い長所も合わせて紹介することが必要
商品の長所だけを並べ立てても、結局お客さんに不審がられたり、
売った後で欠点が発覚してお客さんの期待を裏切り、
クレーム対応に追われることもあります。
それよりだったら自分からあえて短所を正直に紹介した方が、
お客さんの期待を裏切ってトラブルになる可能性も低くなり、
さらにお客さんからの信頼を得ることもできてまさに一石二鳥です。
あなたも勇気を出して、あえて商品の短所をさらしてみましょう。