戦術社長

今回の要点まとめコーナー

 

・戦術とは「目の前の問題を解決するための手段」

・戦略とは「目的の達成のために一定の方針に沿った複数の戦術が同時に機能すること」

・目先の戦術ばかりを追いかけている会社は自転車操業のような状態に陥る

・戦略をしっかりと持っている会社は勝手に成長していく

・戦略は社員一人一人が深く理解し、自分の作業内容に反映されなければ意味がない

 

それでは詳しい内容が気になった方は本文をお読みください。

 

 

今回の内容は

 

・これから起業しようとしている方

・すでに起業しているんだけど、いつまで経っても忙しくて大変!

 

こんな方にぜひ読んでいただきたい内容です。

 

ビジネスを行う上でよく「戦術ではなく戦略が必要だ!」

なんて言われることが多いですよね。

 

しかし、いきなり戦略と言われても

 

・「なんのこっちゃか分からん!」

・「そもそも戦略と戦術ってどう違うの?」

 

と言う人も多いのではないかと思います。

 

というわけで、今回はビジネスにおける戦略と戦術の違いを解説していきたいと思います。

 

この二つの違いを知っているかいないかで将来楽に利益が出る企業になるか、

それともいつまで経っても忙しい自転車操業のような企業になるかが

決まると言っても過言ではありません。

 

「将来楽をしたい!」という方はぜひ読んでおきましょう!

 

すでに様々なサイトでビジネスにおける戦略や戦術の違いを

検索された方はお気づきだと思いますが、

戦略・戦術の解釈は書き手一人一人によって若干違います。

 

なので、今回の内容もあくまで僕個人の意見として、

参考程度にしていただければと思います

 

 

 

 

戦略と戦術の違いとは?

 戦術と戦略の違い

まずは戦略と戦術の違いについて簡単に解説していきたいと思います。

 

 

戦術とは?

 戦術とは?

戦術とは一言で言うと、「目の前の問題を解決するための具体的な手段」です。

 

仮にビジネスで例えるなら

 

・売り上げを上げるために、今年の流行色は青なので商品を青色にする

・売り上げを上げるために、今人気のアイドルをCMに起用する

・在庫品を処理するために、3個セットで2個分の値段にして安売りする

 

などなど…と考えていただいてもいいと思います。

 

 

戦略とは?

 戦略とは

では次に戦略とは何かと言うと

 

「長期的な目的を達成するために一定の方針に沿った複数の戦術が同時に機能すること」

 

ということではないかと僕は思います。

 

ちょっとこれだけだと何言ってるか分からないですよね。

(書いてる僕自身も何言ってんだって感じです)

 

というわけで、しっかりと戦略を持って成功している

ある企業を例に解説させていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

未来工業を参考に戦略を解説

 やる気を出す

今回しっかりとした戦略を打ち出して

成功している企業の好例としてご紹介させていただくのは、

電気・給排水・ガス設備の資材を製造・販売している未来工業という企業様です。

 

この未来工業さんはなんと創業以来赤字なしというとんでもない業績の企業です。

 

その未来工業さんの企業戦略は、

創業者である山田昭男氏の名言にそのまま表れています。

 

その名言がこちら

 

社長なんて自分がバカだと自覚しなきゃいけないんだよ。陣頭指揮なんてもってのほか。

社員にどう餅を与えるかっていう大きな戦略を考えるだけでいい。

戦術は社員に任せればいいんです。

 

…いや~深い言葉ですよね!

 

この言葉からも分かるように、未来工業さんの戦略というのは

「社員に十分な餅(報酬)を与えてやる気を出させ、勝手に戦術が生まれる環境を作る」

ということなのではないかと考えることができます。

 

一つ一つ分解していくと

 

・長期的な目的→利益を上げること

・方針→社員にやる気を出させ、利益を上げるための戦術を自分で考えさせる

 

ということですね。

 

では、未来工業さんでは「社員のやる気を出させ、戦術を考えてもらう」

ためにどんな戦術を取っているかと言うと

 

・営業ノルマ禁止

・残業禁止

・年間休日

・改善案を出せば500円~3万円のボーナスがもらえる

・年間休暇140日(有休のぞく)

・上司への報連相禁止

・育休3

・その他にも5年に一回社員全員海外旅行などなど…

 

と、という社内ルールを作っています。

 

改善案を出せばお金がもらえるなら、

確かに進んでアイディアを考える人は多いと思います。

 

また、残業を禁止することで

「業務時間内に仕事が終わる方法」を社員は常に考えるようになります。

 

さらに、上司への報連相禁止というのも、

社員一人一人が自分で考える力をつける環境を作るためには有効なルールですよね。

 

そして、豊富な年間休日や手厚い好待遇も完備することで

社員のやる気を高く維持しているので、

不満が原因で未来工業を辞めたいという社員も滅多なことでは出てこないでしょう。

 

利益を上げるという目的のために、

「社員のやる気を出させ、案を考えさせる」という方針の元、

複数の戦術が同時に機能している。

 

これが未来工業さんの戦略なわけです。

 

 

 

 

 

戦略は社員全員が深く理解していることが重要

 

もう一つ、未来工業さんのすごいところは

 

・社員全員がしっかりと会社の戦略を理解していること

・その戦略を自分の業務のレベルに落とし込んでいること

 

だと思います。

 

戦略というのは社長や一部の幹部だけが分かっていても意味はありません。

 

社員全員がしっかりと会社の戦略を理解し、

「その戦略のために自分はどう動くべきか?」を考えることが出来なければ無意味です。

 

例えば工事会社の社長が「作業中の事故0を徹底しろ!」と言ったとしましょう。

 

しかし、これが他の社員に伝わっていなければ意味がありません。

 

加えて、他の社員にも伝えたとしても、その社員一人一人が

 

・「事故を無くすためにはどうすればいいのか?」

・「事故を無くすためにうちの部署ではどんなことをすればいいのか?」

 

ということを考え、具体的な案を出さなければ、

結局事故に対して何の対策もされていないのと同じになってしまいます。

 

戦略とはただ単に掲げるだけだったり、

社長から社員への伝言ゲームになっていては意味がありません。

 

社員一人一人が戦略を理解し、

自分はその戦略を達成するために何ができるかを考えて初めて価値が生まれます。

 

 

目先の戦術ばかり追いかけている会社はどうなるか?

 流行りのものは何かな?

先ほどはしっかりと戦略を持って利益を上げている未来工業さんをご紹介しましたが、

では逆に戦略を持たず目先の戦術ばかりを追いかけている会社はどうなるでしょうか?

 

まず問題点となるのは、いちいちトップが指示をしないと社員が動かないことです。

 

戦略が社員一人一人に行き渡っている会社なら、

社員一人一人がどうすればいいのかを自分で考えて行動してくれます。

 

しかし、戦略がない会社の社員というのは自分が何をすればいいのかが分かりません。

つまりトップの指示がないと行動できないのです。

 

次に、戦術ばかりを追っていることによってトップの言うことがすぐに変わるので、

社員たちは混乱し、仕事の能率も落ちてしまいます。

 

先ほど戦術の例として「今年の流行色が青なので、商品を青色にする」

という例を出しました。

 

しかし、次の年の流行色も青とは限りませんので、

この商品は次の年になったら売れなくなってしまう可能性があります。

 

このように、戦術というのは環境によってコロコロ変わってしまうものです。

 

会社のトップがそんなコロコロ変わってしまう戦術ばかりを追っていたら、

その下にいる社員の仕事もトップの指示によってコロコロ変わってしまいます。

 

一貫性のない指示で作業がコロコロ変わるので、

社員たちは混乱しし、不満も出てきます。

 

さらに、コロコロ変わる指示によって社員は常に忙しいので、

他の人のフォローをする余裕もなく、

現状の仕事で手一杯なので新しいアイディアに対しても消極的になります。

 

また、常に忙しいのは社員だけではなく経営者も同じです。

 

コロコロ変わる戦術を追いかけるのに忙しくて

戦略や新しいアイディアを考える暇もありません。

 

戦略がない会社というのはまさに自転車操業のような状態に陥るのです。

 

 

戦略がしっかりある会社はどうなるか?

 ニヤリ

しっかりと戦略があり、その戦略を社員一人一人が理解している会社というのは、

戦略のない会社の真逆の状態になります。

 

トップがいちいち指示しなくても、

社員一人一人が戦略に添ったアイディアを自分で考えてくれます。

 

そのためトップに立つ人間は戦術を考える時間に追われずに済み、

さらなる戦略を考える時間が生まれます。

 

現場の社員たちも自分で考えたアイディアに対して全力で取り組めるので、

仕事に対する集中力や能率は高いものとなります。

 

会社が成長するためのアイディアが社員から自然と湧いてきて、

トップは楽をすることができ、社員たちの士気も高い。

 

戦略をしっかりと練るということは、

まさにメリットだらけと言えます。

 

 

戦略を作るために必要な3つのステップ

 

戦略を練るためには

 

1:目的を設定する

2:方針を考える

3:方針に沿った戦術を用意する

 

この3つのステップが必要なのではないかと僕は思います。

 

どんな戦略を練るにしてもまずは自分の(自社の)

最終目的がハッキリしていないことにはどうしようもありません。

 

そして次にどういう方針を取るかです。

これは競合他社の様子や自社の置かれている状況によって様々な選択肢があると思います。

 

例えばラーメン屋さんを開くとして、

自分の町にすでに「味噌ラーメンがおいしい」と評判の競合がいたとします。

 

その場合、同じく味噌ラーメンをメインの商品として売り出した場合、

すでに存在している強力なライバルと真っ向から勝負することになってしまいます。

 

目的が「そのライバル店を味噌ラーメンというジャンルで倒す」

ということならそれでもいいかもしれません。

 

しかし、「利益を出す」というのが目的なら、

強力なライバルがいる市場にわざわざ参入するのは無謀ですよね。

 

自分の状況や周りの環境を考え、目的達成に適した方針を定めるのが重要です。

 

そして、先にしっかりと目的と方針を決めておくことによって、

どんな戦術を選ぶかと言うのも自然と決まっていきます。

 

しっかりとした戦略を作るには、

まずは明確な最終目的を持つことが重要です。

 

 

ビジネスにおける戦術と戦略まとめ

 

・戦術とは「目の前の問題を解決するための手段」

・戦略とは「目的の達成のために一定の方針に沿った複数の戦術が同時に機能すること」

・目先の戦術ばかりを追いかけている会社は自転車操業のような状態に陥る

・戦略をしっかりと持っている会社は勝手に成長していく

・戦略は社員一人一人が深く理解し、自分の作業内容に反映されなければ意味がない

 

戦略があって勝手に成長していく企業と、

目先の戦術だけを考えて自転車操業の企業…。

断然、前者の方が良いに決まっていますよね!

 

あなたもしっかりと戦略を練ってからビジネスを開始し、

末永く栄えるような企業を作りましょう!