チンパンジー(不安)

う~ん、ロボリンちゃん、申し訳ないけど

電話が壊れちゃって、一回だけでいいから貸してくれない?

 

ロボリンちゃん

仕方ないわね。貸してあげるわ。

 

チンパンジーくん

ありがとう!どうしてもあかパンジー君に

伝えなきゃいけないことがあったんだ!

今日中に伝えないと大変なことになるところだったよ!

本当にありがとう!

 

ロボリンちゃん

そう。お役に立てたのなら良かったわ。

また何かあったら言いなさい。場合によっては助けてあげるわ。

 

ロボット

このように、苦手な人には「お願い」をして、

しっかりとお礼を述べることによって逆に好感度が上がる場合があるんですよ。

 

・職場に苦手な人がいる…

・〇〇さんとはどうにも馬が合わない…

・××さんはとっつきにくくてどうにも仲良くなれない…

 

このように、どうにも仲が悪い人がいたり、

仲良くしたいんだけど上手く行かなくて困っている…

という悩みをお持ちの方は多いのではないかと思います。

 

そんな時は、その相手に「お願い」をしてみることが

仲良くなるきっかけになることもあります。

 

・「ただでさえ仲が悪いのに、お願いなんかして大丈夫?」

・「むしろうっとおしがられて余計に仲が悪くなるんじゃないの?」

 

と思う方もいるかもしれませんが、

実はこの方法にはれっきとした心理学的根拠があるんです!

 

今回は「仲良くなるためにはお願いをする」ということの

有用性について、事例と共に解説していきたいと思います。

 

人間関係に悩める方は、

ぜひ読んで実践してみてください!

 

「お願い」がきっかけで、政敵と親友に!?

 

お願いによって好感度が上がる

 

お願いが誰かと仲良くなる上で効果的だというのを証明する例として、

過去のアメリカの政治家であるベンジャミン・フランクリンのエピソードがあります。

 

このベンジャミン・フランクリンさんが

ペンシルバニアの州議会議員をしていた時のことです。

 

彼はある議員から激しく敵意を向けられ、

ほとほと困っていた時期がありました。

 

そんな時、フランクリンさんは、

自分に対して敵意を持っているその議員が、

とても珍しい希少本を持っているということを知りました。

 

フランクリンさんはその本がどうしても読みたくて、

その相手に手紙を書き、その本を数日貸してくれないかとお願いしました。

 

すると、相手はその本を貸してくれたそうです。

 

そして、1週間後にその本を返す時、

再び手紙を添えて

 

・自分がどれだけ感謝しているか

・そして自分がどれだけ嬉しかったか

 

ということを伝えたそうです。

 

そして次に議会でその相手と会った時、

相手の態度は今まで一変していたそうです。

 

これまで一度もそんなことはなかったのに、

フランクリンさんに敵意を持っていたその相手は、

大変礼儀正しく話しかけてきたそうです。

 

そして、その後も付き合いは続き、

その議員は生涯フランクリンさんの味方だと言ってはばからず、

その議員が亡くなるまで友情は続いたそうです。

 

お願いされた方が好感度が上がる実験

 

握手する男性

 

これだけでは、単なるフランクリン氏の美談一つ

というだけで終わってしまうかもしれません。

 

しかし、この他にもお願いによって好感度が上がることを示す例があります。

 

それが、行動科学者であるジョン・ジェッカー氏と

デビット・ランディ氏が行った実験です。

 

その実験とは、被験者同士にあるゲームをさせ、

負けた方が勝った方にお金を支払うというものです。

 

そして、負けた方の人の半分の人には

「払ったお金は自腹で、手持ちがほとんどなくなってしまったので返して欲しい」

と勝った方の人にお願いさせます。

 

もう半分の負けた人は勝った人に対して何も頼みません。

 

そしてその後、勝った方の人に相手の被験者に対して

どう思うかをインタビューします。

 

その結果、お金を返して欲しいとお願いされた勝者の方が、

負けた相手に対して好意的に思っているという結果が出たそうです。

 

何故このような現象が起こるのか?

 

では、何故お願いされた方が相手に対して好意的になるという

おかしな現象が起こってしまうのでしょうか?

 

その原因は、過去にこのブログでもご紹介した

「コミットメントと一貫性の原理」という

心理効果が発生したためです。

 

人間は一度ある態度や決定を下すと、

その態度や決定に一貫した発言・言動を

しなくてはいけないという心理が働きます。

 

何故なら、発言や態度、行動に一貫性がない人間と言うのは、

周囲から気まぐれで軽率な人間という風に見られてしまうからです。

 

コミットメントと一貫性の原理についてはリンクをどうぞ!)

 

最初に例に出したフランクリンさんの場合、

敵意を持っていた議員は「本を貸す」という親切な行動を

フランクリンさんに対して取ってしまいました。

 

そうなると、親切にした後に意地悪な行動をするというのは、

矛盾した行為になってしまいます。

一貫性がなくなってしまうわけです。

 

また、このフランクリンさんの例では、

フレンクリンさんが本を借りた後に

しっかりとお礼を述べていることもポイントです。

 

議員はフランクリンさんに対して敵意がありました。

つまり、フランクリンさんに対しての評価はマイナスから始まったわけです。

 

しかし、しっかりとお礼を述べることで、

フランクリンさんの誠実な態度を目の当たりにしています。

 

その結果、ゲイン効果という心理効果が働き、

実際以上にフランクリンさんに対して

「実はこの人は誠実で良い人なんじゃないか?」という感情を

抱いてしまったのではないかと想像できます。

 

ゲイン効果については詳しくはリンクをご覧ください!)

 

このように

 

・お願いする

・しっかりとお礼を言う

 

というごくごく自然な流れは二つの心理効果を生んで、

相手の好感度を急上昇させるきっかけになったと言えます。

 

お願いによって失うものはなし!

 

攻めに行く角

 

こうした結果から見ても、

苦手な相手やちょっと仲が悪い人にこそ、

お願いをしてみるのはメリットが多いと言えます。

 

ぶっちゃけお願いしてもし断られたとしても、

元から嫌われている相手ならただそのままの関係が続くだけです。

失うものは一切ありません。

 

つまり苦手な相手にお願いするというのは、

言ってしまえば「出し得」な行動と言えるでしょう!

 

ただし、お願いをするにしても、

いきなり難しいお願いをしても

相手に断られる可能性が高いと思います。

 

なので、まずは小さいお願いをすることをオススメします。

そして、頼み事を聞いてもらえたら、

しっかりとお礼を述べましょう。

 

苦手な人にお願いをするというのは、

勇気が必要なことだと思います。

 

しかし、勇気を振り絞ってお願いをしてみることが、

思わぬ味方・友人を作ってくれる可能性も十分にあるわけです。

 

あなたも勇気を出して、

苦手な人にお願いをしてみましょう!