ツィガルニック効果

今回の要点先読みコーナー

 

・人間は未完成・未完了の事柄に対して強く興味を持ち、記憶力も高くなる

・逆に完成・完了した事柄については興味をなくし、記憶もすぐ忘れる

・ツァイガルニク効果が無意識に働き、人間は自然とネガティブになりがち

・自分の成功などを忘れないようにする工夫が必要

・あえて全てを伝えず、気になる所で終わらせることで相手の興味を引くことが可能!

 

それでは詳しい内容が気になった方は本文をお読みください。

 

 

・気になる相手がいて、何とか興味を引きたい!

・広告などで相手の興味を引くキャッチコピーを作りたい!

・相手の興味を引くような話し方を身に着けたい!

 

今回はこんな悩みをお持ちの方に打ってつけの心理効果、

その名も「ツァイガルニク効果」についての解説です。

 

ビジネスでも恋愛でも、成功するためには

まず「相手に興味を持ってもらうこと」が大切です。

 

相手の興味を上手く引けないと、

せっかく用意した質の良い商品も売れることはありません。

 

また、恋愛でも相手の興味を引かないことには、

その後の「料理が上手い!」とか「家事が得意で家庭的!」というアピールも

する間もなく試合終了ですよ!

 

…というわけで、何事にもまずは相手の興味を引くというスタートが肝心です!

 

ガッチリ熟読して、ぜひあなたの生活に活かしてください。

 

 

 

ツァイガルニク効果って何?

 ツィガルニック効果とは

ツァイガルニク効果というのは

ドイツの心理学者であるクルト・レヴィン氏が提唱した心理効果で

 

「人は完成・完了した事柄よりも未完成の事に対して強い印象を受け、興味が湧く」

 

…という内容です。

 

また、単純に未完成・未完了のことに対して興味が強くなるだけではなく、

未完成・未完了のことに対しては記憶力も強くなるようです。

 

…どうでもいい話ですが、

ツァイガルニク効果ってなんだか言いにくいし覚えにくいですよね?

 

大体の内容は「未完成・未完了のことに対して興味が湧き、記憶も残りやすい」

ということなので、適当に「未完成効果」とか「続き気になる効果」とか、

あなたの覚えやすいように覚えていただいても全くかまいません!

 

 

ツァイガルニク効果が発生している例

 テレビCMの心理効果

このツァイガルニク効果ですが、

何も特別なことではなく、我々の普段の生活の所々で発生しています。

 

例えば子供の頃を思い出してみてください。

 

好きだった漫画やアニメがちょうど気になる所で終わってしまい、

「あ~続きが気になって宿題も手がつかない!」とやきもきした経験は皆さんあると思います。

(余談ですが、僕は別に続きが気にならなくても宿題に手を付けちゃいませんでした!)

 

また、テレビの刑事物のドラマなどが佳境に入り、

もう少しで真犯人が分かる!というところでCMが入って

「はよCM終われや!」と気持ちが焦ったり。

 

このように、何かが途中で中断されてしまった場合などはツァイガルニック効果が働き、

無性に続きが気になってしまいます。

 

また、他の例で言うと彫刻で有名なミロのビーナスなども

ツァイガルニック効果が発生している物の例に当てはまると思います。

 

ミロのビーナスは腕の部分が壊れて欠けてしまっている彫刻で、

「欠けた腕の部分はどういう形をしていたのか?」

というのを巡っていまだに議論が交わされています。

 

「腕の部分が見えない」という未完成な要素が、

世界中の人々の興味関心を引き付けているわけですね!

 

他にも、「主人公がエンディングの後どうなったのか分からない」とか、

作中の伏線がハッキリ回収されずに終わった漫画・小説・映画作品などは、

ファンの間でいくつもの考察が生まれ、議論されることもあります。

 

このように、未完成・未完了な事柄というのは人々の興味を引き付け、

記憶にも残りやすいものなのです。

 

 

 

逆に完成・完了したことはすぐ忘れる

 完成したものは忘れてしまう

人間は未完成・未完了の事柄に対しては興味が増し、

記憶力も良くなります。

 

しかしその逆に、もう完成した物や完了した事柄に対しては興味が薄れ、

記憶力も低下してしまうのです。

 

分かりやすい例を挙げるなら、学生時代のテスト前の勉強がそうですね。

 

テストで良い点を取るために必死になって勉強した知識も、

テストが終わって少し経つともう何にも覚えてない…という経験、

あなたにもあるのではないでしょうか?

 

この場合は「テスト」という事柄が完了したことによって、

それに関係する知識に対しても興味がなくなり、

記憶力も低下して忘れてしまった…ということですね。

 

僕は中学生の頃数学が苦手で点数が悪く、

何とか点数を稼ごうと必死に勉強した覚えがありますが、

その時の勉強内容なんて今では全く覚えていません()

 

覚えているのは「勉強したのに数学の点が40点から20点に半減した」という

悲しい事実だけ…一体何が起こったんだ…。

 

このように、人間は完成・完了したことに関しては興味を失い、

記憶力も低下してしまうということも覚えておきましょう。

 

 

「嫌な思い出ばっかり…」という人の原因もツァイガルニク効果にある?

 

・「今までの人生、上手く行ったことなんてあんまりないな…」

・「いつも失敗してばっかりで自分が嫌になる…」

 

というふうに、嫌な思い出ばかりが頭に残っているという人は多いと思います。

(僕もそうです)

 

嫌な思い出、例えば過去の失恋や仕事での失敗というのは、

言ってしまえば「未完成・未完了な出来事」と言えます。

 

そのため、ツァイガルニク効果が発生して長く記憶に残ってしまいがちです。

 

逆に完成・完了したことというのは人間すぐに忘れてしまいます。

 

つまり「上手く行ったこと・成功したこと」というのは

それ以上考える必要がないので、人間けっこうすぐに忘れてしまうものです。

 

上手く行った記憶を忘れてしまって、失敗した記憶ばかりを覚えていると、

人間は次第に「自分はダメなやつなんだ」と思うようになり、

何をするにしても気が進まなくなってしまいます。

 

もし今現在「失敗ばかりの自分が嫌い!」という方がいたら、

「自分の小さな成功をメモしておく」というのが良いかもしれません。

 

無意識に働くツァイガルニク効果によって

ネガティブな気持ちになってしまうのを抑えることができると思います!

ぜひ試してみてください。

 

 

 

 

ツァイガルニク効果を生活に活かすには?

 ツィガルニック効果の応用

ここからはツァイガルニック効果を生活に活かす方法をご紹介していきます。

 

 

ツァイガルニク効果をビジネスに活かす

 

ツァイガルニック効果は実際にビジネスの世界でも広く使われている心理効果の一つです。

 

例えばテレビのCMの「続きはwebで!」などもその代表例ですね。

 

CMではあえて「続きが気になる!」という点で終わらせておいて、

時間制限や文字数の制限などがなく、商品の魅力を十分に紹介できる

webサイトに誘導するという方法です。

 

また、広告の見出しなどでも

 

・「なぜ××社の商品は1億人以上のお客様に選ばれたのか?」

・「仕事が上手く行かない人は必ず○○をしている!」

 

などなど、疑問を投げかけるような形で終わらせたり、

大事な部分を伏せたりすることでツァイガルニック効果を発生させ、

続きが気になるようにしている場合もあります。

 

また、情報商材などの場合はあるノウハウを途中まで教えておいて

「続きは本製品をご購入ください!」という風にしたり…。

 

この方法は新発売予定のゲームなどの体験版を無料で配布し、

途中までお試しでプレイさせる方法などと共通する部分がありますね。

 

このように

 

・「気になるところで話を終わらせる!」

・「無料のお試し版を使ってもらう!」

 

と言った方法で広告の読み手や見込み客の興味を引き、

商品の成約につなげることができます。

 

 

恋愛などでのツァイガルニク効果の活かし方

 

ツァイガルニック効果を恋愛テクニックとして用いる場合の代表例は、

「わざとデートを早く終わらせる」などですね。

 

相手の「もっと一緒にいたい!」「もっと一緒に遊びたい!」という

欲求を逆手に取ってあえてデートを早く切り上げることで、

さらに自分への興味を強めることができます。

 

また、「自分の情報を小出しにする」というのも

相手に興味を持ってもらうのに使えるテクニックです。

 

例えば気になる相手に「休日とか何して過ごしてるの?」と聞いた時、

「ナイショっ!」とか言われたらどう思うでしょうか?

いや~もう僕なら気になってしょうがないですね!

 

恋愛ではお互いを深く知るというのが大事だと思いますが、

だからこそ「相手を知るための過程」をちょっと難しくすることで、

相手の自分に対する興味をより強くすることができると思います。

 

 

ツァイガルニク効果のまとめ

 

・人間は未完成・未完了の事柄に対して強く興味を持ち、記憶力も高くなる

・逆に完成・完了した事柄については興味をなくし、記憶もすぐ忘れる

・ツァイガルニク効果が無意識に働き、人間は自然とネガティブになりがち

・自分の成功などを忘れないようにする工夫が必要

・あえて全てを伝えず、気になる所で終わらせることで相手の興味を引くことが可能!

 

ツァイガルニク効果は日常の中でのちょっとした工夫によって使える

「相手の興味を引くテクニック」と言えます。

 

なんせ「あえて全部を話さず、小出しにする」という、

究極を言えばこれだけでも使えますからね!

 

ただし、何でもかんでも勿体つけて言わずにいると、

相手の興味は引けても好感度は下がってしまうかもしれません。

 

なので、たまに混ぜていく程度が良いかもしれませんね。

 

今回はツァイガルニク効果について解説させていただきました。

もし興味があったら、あなたも早速生活に取り入れてみましょう!