- イレギュラーが起きると頭が真っ白になる
- 一度に沢山の仕事を引き受けると混乱してしまう
- 作業中に休憩を挟むと、どこから再開すればいいのか分からなくなる
このような経験はありませんか?
僕はどちらかといえば昔から「動揺しない」と、
周りから言われる方なのですが(単に元気が無いだけの可能性大)、
やはり、一度に3人から話しかけられたりすると混乱してしまいます。
なんとかならんもんですかね。
このような症状に悩まされている人は、
脳の「ワーキングメモリー」という機能が育っていないからかもしれません。
この機能を鍛えることにより、
並列処理の仕事にも対応しやすくなったり、
イレギュラーなことが起きても頭が真っ白になったり、
動揺することが少なくなるでしょう。
このページの目次です。
ワーキングメモリーとは?
1970年代にイギリス人の心理学者であるアラン・バドレーによって提唱された概念。言葉を理解したり、推論したり、学習したりするために情報を操作する間、一時的にその情報を保持する機能や能力のことを指します。
ワーキングメモリーを簡単に説明すると…
現在の仕事をいったん中断して、ほかの作業をこなした後に、
中断していた作業の内容を瞬時に思い出して、
再び取り掛かることの出来る「脳の切り替え機能」になります
手順を追って説明します。
アナタが1つの仕事に集中していたところ、
上司から「○○の仕事お願いね。最優先で」
と急にお願いされたとします。
アナタは「あーマジめんどくせぇ」と思いながらも、
その仕事をこなします。
そして数時間後に戻ってきたアナタは思いました。
「あれ? どれから取り掛かればいいのかわからない…」
こうならないための機能です!
2つの仕事を同時進行すればいいじゃん!
と思うかもしれませんが、
同時進行(マルチタスク)は、シングルタスクに様々な面で劣るという研究結果が出ています。
実際に…
Stanford大学の研究者Clifford Nass氏がマルチタスクの研究を行ったところ、マルチタスクをする人は、シングルタスクの人よりも「情報の取捨選択」「頭の切り替え能力」「記憶力」が劣っている という結果になった。
との結果が出ているので、一度にたくさんの物事を同時にこなすのは、
かっこよくは見えますが全然効率が出ていなかったりします。
出来るだけシングルタスクで確実に仕事をこなしたいところですが、
忙しい現代社会において、100%マルチタスクを
回避するのは不可能に近いと僕は思っています。
(周りの意見を無視すれば可能ですが)
1度に沢山仕事をお願いされるけど、出来るだけシングルタスクでこなしたい!
そんな方々にオススメなのワーキングメモリーという機能です。
(前置きが長くて申し訳ない!)
動揺しない人はこの機能が優れている
イレギュラーが起きたとき、予想外の出来事が起きたときに、
大きく分けて2タイプの人がいますよね。
- 頭が真っ白になる人
- 動揺せずに次の行動を考える人
この違いは一体なんなのかと言うと、
動揺しない人は本当に動揺していななわけではなく、
一時的に「動揺した記憶」をワーキングメモリーで
切り替えているからなんです。
たしかに、そうすることで取り乱したり、
感情的になったりすることはありませんね。
ワーキングメモリーに機能している脳の部位
前頭葉を中心とした神経の一部が関係しています。
一時的に長期記憶を扱っている側頭葉から、
記憶を集めてきて情報を保ち、
タスクの操作と管理を行っていると考えられています。
その後脳の司令塔のLPFCが作業の構築を進めます。
最短で1時間が限界!?
しかし、このワーキングメモリーには弱点があります。
基本的には1~2時間ほどしか記憶を保持することが出来ません。
それ以上時間がたってしまうと脳はほかのことに集中してしまい、
余計な記憶が蓄積されてしまいます。
せっかく脳に一時的に保存していた
ワーキングメモリの記憶が解散してしまうんですね。
再び内容を思い出そうとしても、
余計な労力を割かなければならずに効率が落ちてしまいます。
なので、一度に沢山仕事をお願いされたら、
1つ1つ確実に素早くこなしていく必要があります。
ワーキングメモリーの鍛え方
■お釣りの計算
貧乏人は普段からお金を数えているからボケない、
というギャグを聞いたことがありますが、
皮肉にも半分以上が正解だったのです(笑
暗算などを普段からすることで、
この機能が鍛えられます。
■ガムを噛む
咀嚼には脳を覚醒させる機能があります。
のワーキングメモリーの機能も覚醒するんですね。
ガムの効果に関しては、また次回記事にしようと思います。
■電話中に落書きをしてみる
人の話を聞いている最中に、無意識に出来る単純な作業を
手元で同時進行させるというものです。
難しい作業を2つ同時にやってしまうと、
ただの「マルチタスク」になってしまうので、
あくまでも簡単な作業にとどめておきましょう。
集中力が切れて注意が散漫になりがちでも、
無意識のうちに落書きがそれを抑えて、
会話に集中できる。
とのことです。
今回のまとめ
2つの仕事を一度にお願いされた時は、
同時進行するのではなく、
一つずつ終わらせることが重要なんですね。
現代人はとても忙しいので1つのことに集中したくても、
「チンタラやってんじゃねぇぞおらぁ!」
と、上司から言われてしまうかもしれません。
しかし、このワーキングメモリーを意識することで、
疑似的にですがマルチタスクっぽいことができるようになります。
仕事の効率を上げたい人は是非一度やってみてはいかがでしょうか!